ロンドンで活躍する写真家ティム・ウォーカーは、オックスフォードのエクセター美術大学卒業後、偉大なる先人たちから多くを学んだ。コンデナスト社での実務研修時代には、セシル・ビートンのアーカイブをつくった。ニューヨークではリチャード・アベドンの助手も務めた。そうした日々を経て、ウォーカー自身のスタイルが花開き、若き日にインスピレーションを受けた師たちに肩を並べるものとなった。ウォーカーの写真はいまや、『Vogue』『W』『Harper’s Bazaar』といった流行の最先端をゆく雑誌に登場する。また、コムデギャルソン、ヨージ・ヤマモト、バーニーズといったそうそうたるクライアントの広告キャンペーンも手がけている。ウォーカーの作品はいわば、かすかな奇抜さが混じるハイパーリアリズム的なおとぎ話だ。にもかかわらず優美で、そこに重苦しさは微塵もない。
* ウォーカー作品の全体像を提示
* ファッション写真やアート写真ファンには必携の1冊