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東電OL禁断の25時

価格: ¥0
カテゴリ: Kindle版
ブランド: アドレナライズ
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被害者と“夜の渋谷”で“同僚”だった著者が事件を追っていく

「まさか……、裕子さん? あの裕子さんなの」
 たまたま訪れた知り合いの風俗店で、私は1枚の写真を見て息を呑んだ。そこに聞き込み捜査に来ていた刑事が提示したその写真には、暗いブルーの壁を背にし、こちらをじっと見据えている女の顔があった。ペッタリと貼り付いたようなストレートの長い髪、濃いアイシャドー、真っ赤な口紅……。けばけばしい外見とは対照的に、その表情には、まるで深い海の淵に迷い込んでしまった稚魚のような、あやうい心許なさが漂っていた。
「裕子さんだ」
 それは、まぎれもなく、5年前に同じホテトルで働いていたあの人だった。
「円山町東電OL殺人事件」。私の中で、この時初めて、新聞や雑誌で盛んに取り上げられていた“被害者・渡辺泰子さん”の昼の顔と、私の知っている夜の顔の“裕子さん”が重なった。
 東京にも桜の花が咲きそろい、町にほろ酔い加減の人々があふれ返る、悲しいくらい賑やかな季節のことだった……。

 慶応大学出身のエリートOLという昼の顔と、ホテトル嬢という夜の顔。そのギャップにばかり焦点を当てた報道。円山町東電OL殺人事件の被害者と“夜の渋谷”で“同僚”だった著者が、風俗嬢の立場から事件の「なぜ」に迫る。

プロローグ
 一枚の写真
 二人の訪問者
 “あの人”の顔
 立ちんぼ
 心の悲鳴を聞きたくて

第1章 生け贄の女
 出会い
 ヘルス嬢とホテトル嬢のギャップ
 ひとり輪からはずれて
 イヤな客でも「私、行きます」
 クビにならなかった裏事情
 ふたりで食べた“焼肉弁当”

第2章 異常という普通
 “金の亡者”というレッテル
 「1円でも多くむしり取りたい」という心理
 「金に貪欲」はホテトル嬢の基本
 抱いたなら金を払うのが当たり前
 万引きでストレスを発散
 ホテトルは食べなきゃやってられない仕事
 「ホテトル嬢はセックス好き」という嘘
 逆の視点から

第3章 危うい年代……なぜ30を過ぎてから?
 お金が目的ではない
 レイプ説に疑問
 無関心でクールな集団
 ひとつの転機
 30過ぎて出向するということ……元銀行員Kさん(45歳)の場合
 あだ名は“エイリアン”
 「女」を意識できる場所を求めて
 比重を増していく「夜の世界」
 主婦でヌードモデル……洋子さん(35歳)の場合
 女を取り戻す時間
 下半身に白髪を見つけて……江美さん(43歳)の場合
 テレクラで取り戻した青春
 ホテトル嬢になった理由
 時間を埋めるために
 出会い……私の場合
 セックス前の“儀式”
 「クレバーな女」という評価
 父親の影
 “そんな出会い方”
 昼間は教師、夜はホテトル嬢……智美さん(34歳)の場合
 昼間の職業に失望して
 権威に弱い男たち
 昼の世界に押し出されて

第4章 闇の中の終着駅
 ホテトル嬢と立ちんぼの違い
 「イッちゃってる感じ」
 自殺行為の立ちんぼ
 「復讐」のため立ちんぼに?
 社内改革が追いつめた?
 あいまいになっていく境界線
 協調性ゼロ
 自分の「女」の部分を確認するため?
 バツイチでAV女優……やよいさん(43歳)の場合
 愛するということ
 「お金」という理由付け

●酒井あゆみ(さかい・あゆみ)
1971年、福島県生まれ。中学生から時給に惹かれて地元のキャバクラで働き始める。高校卒業後、上京。キャバクラでバイトを経験した後、知り合った男にファッションヘルスの店を紹介される。それをきっかけに「風俗のフルコース」と愛人業、AV女優を経験。20歳の時にヘルスに来た客と一緒に「AVプロダクション」を設立。自分でも現役女優をしながら社長業務をする。22歳の時、とある作家の取材コーディネートをきっかけに出版社の編集者と知り合う。熱心な執筆依頼を受け、半年後にデビュー作『東京夜の駆け込み寺』を発表(同タイトルはTBSの番組になった)。作家活動に入り、多数の作品を発表する。フランスで初上映した『TOKYONOIR』をはじめ、小泉今日子主演の『風花』の映画監修、江角マキコ主演のTBSドラマ『独身生活』の監修など映像業界でも活躍。30歳を境に同棲していたヒモ男と別れる。貢いだ金額が一億近く。その反動で「男買い」を始める。その体験を元に執筆した『レンタル彼氏』(幻冬舎)は、GYAOでドラマ化され、ランキング1位を独走する。同時に漫画化もされた。