プライド 栄光への絆 [DVD]
価格: ¥3,990
ロングセラーのノンフィクション『フライデー・ナイト・ライツ』(H・G・ビッシンガー著)が原作の『プライド 栄光への絆』は、高校のアメリカンフットボールチームを過酷な現実面から描きだすとともに、そこに流れる思いやりと厳しさをも明らかにし、観る者を感動させる。俳優兼監督のピーター・バーグ(『ベリー・バッド・ウェディング』『ランダウン』)は原作者ビッシンガーのいとこである。バーグは原作を知りつくしており、勝利への執着がいかに高校生を陰気でプレッシャーに苦しむ闘士――恥にまみれ無名のまま人生を終えることに反発して町をあげて繰り広げられる戦いの中で使い捨てられていく戦士――にしてしまうかを理解している。舞台はテキサス州西部オデッサにあるパーミアン高校のフットボールチーム。1988年シーズンの実話をもとにして、バーグ監督は観客を鼓舞し熱狂させてひきつける、ペースの速いスポーツ映画を作った。この疲れはてた勝ち目のない者たちの物語には暗い面もあり、選手である息子を虐待する父親(カントリー歌手のティム・マッグロウが好演している)や、脅迫的な町の住民、負傷したランニングバックのスター選手(デレク・ルーク)、悩み多いクォーターバック(ルーカス・ブラック)、チームを決勝戦まで導く憂鬱なコーチ(ビリー・ボブ・ソーントン)らが登場する。バーグは派手なカットを極力ひかえ、アメフトの激しさが伝わる劇的な事件に比重を置いているが、本作は従来のスポーツ映画とはまた違ったさわやかな作品になっており、『Go Tigers!』『The Last Game』と合わせれば、アメフトをテーマにした心おどるドキュメンタリー映画の3本立てを堪能できる。(Jeff Shannon, Amazon.com)