インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

かつら人との遭遇(居酒屋編) (かつらがばれた私の生きる道)

価格: ¥0
カテゴリ: Kindle版
Amazon.co.jpで確認
かつら人(ビト)になって、私はある特殊な能力を身につけてしまいました。

それは、あるモノを、かなり敏感に嗅ぎ当てるようになったことです。


あるモノとは・・・。


そうです。


かつら人のニオイです。

一般人には持ち得ない嗅覚だと思います。

決して、臭気測定器とかには反応しない特殊臭です。

ニオイと言うより、フェロモンといった方が近いと思います。
いや、フェロモンというよりオーラだな。うん。

こんなこと何の自慢にもなりませんが、
私のそのヅラセンサーはすこぶる感度良好なのです。

かつらを脱ぎ捨ててしまった今では、その感度も若干鈍ってしまった感はありますが、
それでも、まだまだ敏感に反応することがよくあります。

あれは私がまだ、かつら人になって一年足らずの若輩者だった頃のことです。

同僚と、ある居酒屋に行きました。

カウンターが7~8席、テーブルが二つある、
粋な小料理屋って感じの居酒屋です。

のれんをくぐり、玄関を開けた瞬間に、
私のヅラセンサーが激しく反応してしまったのです。