激しいギターバトルにダブル・ドラマーを売りとしたオールマン・ブラザーズ・バンド。彼らは70年代に一世を風靡したサザンロックの元祖といえる。ミュージシャンとして優れていた彼らは、カントリー、ブルース、ニューオリンズジャズ、さらにはゴスペルといった南部音楽をルーツとし、独特のサウンドを作り上げた。『Decade of Hits』は彼らのギターサウンドが絶好調だった頃の曲を集めたベスト。特に甘く、印象的なハーモニーが魅力のインストナンバー「Jessica」は彼らの代表曲。2回のバイク事故死とヘロイン中毒という悲劇ばかりが取り上げられるが、勇ましい「Ramblin' Man」こそ彼らのシンボルだ。今や伝説的存在となったディッキー・ベッツが作曲、歌ったこの曲は、このバンドが偉大である要素を全て含んだ曲だ。複雑なギターのハーモニー、強力なメロディー、適度に鼻にかかった声、すべてが欠かせない。本アルバムには他にも「Melissa」「In Memory of Elizabeth Reed」「Southbound」といった代表曲を収録。(Steve Gdula, Amazon.com)