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Batman and Son

価格: ¥1,769
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: DC Comics
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「バットマンの息子」 ★★★★★
 作画のアンディ・キューバートはアメコミ90年代を代表するアーティストの一人で、伝統的なアメコミの人体描写と日本アニメ漫画の影響を組み合わせたダイナミックなページ構成/スタイルが特徴です。デビュー以来主にマーヴル・コミックスを中心に活動してきたため会社の看板作家と目されています(X-MEN日本語訳にも代表作は何度も収録されています)が、邦訳作「バットマンVSプレデター」などのように、シリーズ仕事の合間などにスーパーマン・バットマンといったDCコミックスの主要キャラクターも継続して描き続けています。父で師でもある往年のDCコミックスの大作家ジョー・キューバートの影響でしょうか。久しぶりの長編がDCでの作品という点はアメコミファンにとって魅力的です。
 しかし異彩を放つのは、原作を務めるグラント・モリソン。DCコミックスでアメコミデビューしたイギリス出身のライターですが、「バットマン:アーカム・アサイラム」(小学館プロダクション刊)で見せたようなモチーフの引用・隠喩・メタフィクショナルな展開などを駆使する奇才として知られています。「JLA」「New X-Men」など主要タイトルの仕事で王道的なストーリーを展開してファンを驚かせ、以来幅の広い才能を持つ書き手であるということが認知されはしましたが、自らのオリジナル作品では独特な作風で通しており、未だにトリックスター的な印象を保っています。この二人の才能のコラボレーションによる、「正統」と「異端」の取り合わせが既にテーマを暗示しているのかもしれません。

 物語はバットマンの私生児の登場でスタートします。仇敵の暗殺者組織で育てられた謎の息子、バットマンはその少年を義務感と組織の陰謀を止めるためという二つの理由から引き取ります。しかしその存在はロビンやアルフレッドらバットマンの家族に大きな波紋を引き起こします。果たして彼らと組織の計画の行方は……
 ……という形で展開する物語ですが、実はこの流れは全8話中の前半4話分で終わってしまいます。そして後半展開される内容はまさにライター本領発揮のモリソン・ワールド。事件後のバットマンの周囲に頻発する怪事件、心に付きまとう疑惑、謎めいた啓示。それとなく聖書ネタをモチーフにしたエピソード展開(息子の名前も『ダミアン』ですし)の中で、バットマンは次第に追い詰められてゆきます。そして物語は戦慄のエンディングで幕を閉じるのです。

 アメコミは基本的に主要シリーズはずっと継続することが前提ですが、その副産物として「外伝的な形での最終回」という位置の作品も数多く書かれています。そのうちの一編としては、ベテラン作家二人の個性が融合した異色作として、ユニークな面白さを持った良作ではないでしょうか。日本人にも馴染み易い画風と話題性のある話ネタで、映画で興味を持たれた方がちょっと読んでみるアメコミ単行本としては丁度いいでしょう。
バットマン アンド サン /洋書 オールカラーコミック ★★★☆☆
バットマン アンド サン /洋書 オールカラーコミック

作画も美しく、一冊の本にしっかりと同一エピソードがまとめられた長編になっています。短編集と違って比較的世界が完結しているので、あまりシリーズを知らない人でもさらっと読み切れるのではないでしょうか。

テーマは「バットマンに隠し子が!?」 バットファミリー、最大のスキャンダル(笑)。
ラーズ・アル・グールの娘タリアとバットマンは、かつて薬のせいで一夜だけ間違いを犯したことがありました。タリアは父の意思を継ぎ暗殺者を育てており、彼女の息子と言われる「ダミアン」も、人殺しをなんとも思わないよう育てられていました。
自分の子かどうかわからないものの、彼をそのままにはしておけないと、バットマンは彼を自宅に連れ帰って教育しようとします。
バットマンに反発しながらも父親と慕いはじめるダミアンは、三代目ロビンことティムさえいなければ自分がロビンになれると考え、ティムと戦い・・・!?

ダミアンが本当にブルースの落とし種だったかどうか。その真相は未来、バットマンの引退後に明かされます。
ある意味、バットマンの黒歴史とも言える一冊。
(ただし、ダミアンの存在そのものは、1987年に初出しています。)

この本の脚本家 Grant Morrison は、2009年にブルース・ウェインの死の展開を描いた「BATMAN R.I.P」を発表。
そこでは、ダミアンのDNA鑑定結果待ちの状態になっています。