クラシカル・トランス・ミュージック
★★★☆☆
イタリア出身のピアニストの、’96年発表のデビュー作。
元来クラシック畑のアーティストによる、トランス・ミュージック作品という触れ込みだ。
その経歴が物語る通り、勢い任せで、派手なサウンドに偏りがちになるこの手の音楽とは一線を画し、クラシックらしさのある、優雅で気品のあるメロディのある楽曲が多く、それにより落ち着きのある、ヒーリング・ミュージック的な要素が感じられる。
ただ、やはりトランス・ミュージックというのを意識し過ぎたのか、ノリの良いリズムを重視したのか、同じようなテンポで流れていく観もあり、やや単調なきらいもある。
クラシック出身という点をもっと前面に押し出し、強調しても良かったと思う。
トランス・ミュージック・ファン以上に、クラシック・ファンにアピールするような作風を期待したい。