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楽園 (角川文庫)

価格: ¥540
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店(角川グループパブリッシング)
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これがこの世の楽園か! ★★★★★
鈴木さんの書くファンタジーはどんなものだろうかと気になっていましたが、やはり鈴木さんの書く文章は素晴らしい。
三部の構成になっているが、その相関関係がとても綿密に構成されている。
特に第二部は、漂流記を彷彿とさせる、生死の物語が別に有るような気がします。
どういう風に、繋がるのだろうと、ワクワクしながら読んでましたが、最後までそのワクワクを持ったまま終わったって感じですね。
これがオチみたいな明白としたものはなく、読み終わった後は、なるほどなぁ〜って感じでした。
きっと、ラストで、輪廻の呪縛は解けたのでしょうかね。
愛する人同士の、歴史的な長さを感じさせるとても綺麗な作品でした。
怖いのは好きじゃないんです ★★★★☆
鈴木光司さんというと、やっぱりホラーのイメージがあるのですが、これは全く違いました。自己の体験でないことはわかっていても何か懐かしいような感覚、ページから音や音楽が聞こえてくるような感じを楽しみながら、一気に読んでしまいました。他の本も手にとりたいのですが、怖いのは好きじゃないんで…
輪廻転生のラブロマンス ★★★★★
鈴木光司の作品の中で、一番のお気に入りです。世界を駆け巡る輪廻転生ものとなれば、完全にツボですね。魂は生まれ変わるのか。宗教観により、人それぞれ考え方は異なるでしょうが、私は転生を信じています。手塚治虫の「火の鳥」や、FOGのPSゲーム「久遠の絆」なども大好きな作品です。それらに通ずるものがあると思います。
読む場所によって意味が変わる小説 ★★★★★
ビーチに寝そべり、
波の音に耳を澄ませて、
ローカルなウイスキーを嗜みながら読みたい一冊。

自分の非力を知って初めて人生に色付けができる。
なぜ人は愛し合うのか。

スマギン洞窟を思い出して、深いため息が出た。
映画化不可能? ★★★★☆
世界遺産に認められる以前の屋久島に行った時、人気(ひとけ)のない同島の灯台に車で行ったことがあります。その少し高い場所からは樹々の間に光り輝く海が大きく広がり、南洋の暖かい風が吹いていたのを覚えています。この海に漕ぎ出して行く勇気は自分にあるだろうか...などと社会へ飛び出す直前の自分はぼんやりと考えていたことを思い出しました。この本はそんな大冒険を“愛のために”したひとがいたかもしれない、という思いから始まっているのではないのかなと今思っています。それにしても時空を超えた著者の想像力/構想力には驚きを禁じ得ません。良い映画やドラマあるいは物語は概してそういうものですが、平易な文章や言葉で描かれているにも関わらず、夢、愛、欲望、様々な人間関係、肉体的あるいは精神的な極限状態など多様な内容を表現しており、単なるファンタジーと最初から決めてかからない方がよいのでは、と思います。読ませます。