天狗村綺談
価格: ¥0
第二章 教室のお稲荷さんより
「さあ皆、誰からでもいいから順番に指を入れて確かめてごらん」
ぼくの心臓は凍りつきそうだった。
真っ先に手を出したのは健ちゃんだった。母の股間にくつくほど顔を近づけると、肉穴に人差し指をあてがい、ああっ、と喘ぐ母をよそに、ずぶりっ、とその指を突き刺した。
「あ、ああっ・・・」
母が悲鳴を漏らし、太股をひくつかせながら二度、三度と首を打ち振ったが、健ちゃんはグイグイと指の根元まで押し入れてしまった。
「どんな感じだね」
「あったかいな・・・それに、すごく柔らかい・・・」
健ちゃんは驚きに満ちた顔で町田先生に答えた。興奮しているのが手にとるようにわかった。その興奮が、さざ波のようにまわりの生徒達に伝染していくのも・・・。
「ぼくにも入れさせて」
「早く代われよ」
「ちょっ、ちょっと待てったら・・・」
健ちゃんは奥まで入れた指をグリグリとねじり回した。
「あっ・・・あう・・・」
母は呻きながら唇をひくひくと振るわせ、もうやめさせて下さい、というように切ない目を町田先生に向けた。先生はまったく無視している。
気色よさそうに肉穴をこねまわす健ちゃんを、皆、羨ましそうに見つめていたが、やがて我慢できなくなったらしく、
「は、早く代わってよ、健ちゃん」
「そ、そうだよ、自分ばっかりずるいよ」
と、口々に言い始めた。
「う、うん、わかったよ・・・」
健ちゃんが名残惜しそうな顔で指を引き抜くと、今度はサブちゃんという子が母に飛びつくようにして指を突っ込んだ。
「あっ、ほんとだ、あったかいや」
サブちゃんも肉穴をこねまわしながら、うっとりしたような顔になっている。
「今度はぼくだ」
「あたしよ」
皆の目が異様に輝いている。興奮が、熱気となって教室を包みこんでいた。ずぶり、ずぶり、と次々に肉穴が抉られていくのを見ながら、ぼくの体はブルブルと震え続けた。
やがて、待ちきれなくなった誰かが母の太腿に手を伸ばした。
「わあっ、あったかくてすべすべしてるぞ」
その言葉を合図に全員が我も我もと手を伸ばしていった。太腿を触る者、ふくらはぎを触る者、ブラウスの中に手を入れて乳房を触る者。果ては母の背後にまわって髪を鷲掴む子や、顔に手を伸ばす子までいた。
とにかく、あっ、という間に母の体中に手という手が絡みついたのだ。
うっ、ううっ、と母の喉から呻き声がもれている。だが、そんなことはおかまいなしに、皆思い思いの箇所を掴み、さすり、指を入れようとする。机が揺れ、机の縁を掴む母の両手にぐっ、と力が入った。
もう見ていられなかった。母は体中の穴という穴に指をねじ込まれていた。口にも、鼻の穴にも、そして耳の穴にも小さな指がねじり込まれている。ぼくが産まれてきたという肉穴には、三人の子がいっぺんに指を突き刺している。お尻の穴にまで誰かの指が入っていた。
あらすじ
戦前の日本が舞台。物の怪につぎつぎと犯されていく母は、艶めかしく淫らな女に変貌していく。やがて母に魅せられた「ぼく」も母に挿入したい衝動にかられる。・・・大人の童話です。
第一章・交番の怪
授業参観のために学校に向かっていたぼくと母は、交番でお巡りさんに呼び止められた。昨夜、盗難事件があり、その犯人に母が似ているというのだ。
交番に連れ込まれた母は、盗んだものを隠していないかと身体検査をされるが・・・。
・・・
第二章・教室のお稲荷さん
授業参観中、先生は「女の体はどうなっているか勉強する」といい、母に前に出てくるように言う。先生の指示どおり裸になる母に子供たちが群がり、あらゆる穴に指を入れ始める。やがて先生は子供の作り方を教えてやるといって・・・。
第三章・権堂さんの宴
権堂さんの息子にケガを負わせてしまったぼくは、母とともに謝罪に行った。しかし権堂さんは簡単に許してくれなかった。ぼくを裸にし、逆さにして木に吊してしまうという。
ぼくの身代わりを買って出た母を、権堂さんは執拗にいたぶり始めた。
・・・
第四章・サーカスの夜
賀来サーカス団に誘拐された母は不老不死にされていた。しかも母はサーカス団とともに村を出ていくという。母は、必死に止めようとするぼくを優しく抱きしめ「一緒にいきましょう」と囁いた。やがてぼくは、母にめくるめくような快感の世界に導かれていった・・・。