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高安犬物語 (戸川幸夫動物物語)

価格: ¥1,365
カテゴリ: 単行本
ブランド: 国土社
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動物を書くのは巧み ★★★★☆
 「高安犬物語」「熊犬物語」「北へ帰る」「土佐犬物語」「秋田犬物語」の5篇が収められている。
 戸川幸夫は、小説家としては3流以下であると思う。人物表現は薄っぺらで、構成力はなく、文章もお粗末である。しかし、動物を主役に据えさせれば、そこそこ読めるものを仕上げてくる。
 本書に収録された5篇は、大正~昭和初期、日本犬の保存が問題となった時期を背景としている。明治維新以降にもたらされた洋犬との交雑が進み、純粋な日本犬は山間部の猟犬にしか残らなくなった頃のことだ。このままでは本来の強さや逞しさが失われてしまう。危機を感じた日本犬愛好家たちは保存会を結成し、各地で「純粋な」日本犬を買い漁った。それに伴う悲劇や欺瞞が本書のテーマとなっている。暗い話ばかりである。しかし、その暗さが大切なのであろう。
 動物の魅力は純粋で愛らしいことだけではない。
戸川幸夫は日本のシートンである ★★★★★
日本の作家の中で戸川幸夫ほど
動物を題材とした物語を書ける人はいないでしょう
この高安犬物語は実際にあった
作者本人が体験したノンフィクション風小説です

高安犬とは山形の一部にのみ産した、幻の犬種です
明治に入り、西洋犬の輸入とともに純血の日本犬が
絶滅していく中、日本最後の純血の高安犬に作者は出会います
チンというその犬は最高の熊猟犬でもあったのです

手負い熊を噛み殺し、大鷲をたたきおとし
タイマンで土佐闘犬にも勝ってしまう!
更には溺れた子供も助けてしまう、スーパーマンみたいな犬です
(↑全部、実話らしい)

「もし人間に生まれていれば大臣になっていた」(文中より)と
飼い犬に言わしめた、最高の犬との出会いと別れを描いた力作