ファンタジーはおもしろくなるまで最初の５０ページ（時には１００ページ）は我慢して読まないと、と思っているのですが、
この本はもう最初からぐんとひきつけられてしまいます。ともかくとてもおもしろく何時間もぶっつづけで読んでしまいました。
第一作のPoison Study　でIxia から追放された形でSitia　にYelena　は帰り、両親と兄に会います。両親は歓迎してくれるものの
幼児の記憶がないYelenaはとまどうばかり。　兄にいたってはもろに最初から敵意を持たれ、そのせいでZaltana一族の他の人達からも
簡単に受け入れられません。
Citadelの魔法学校でIrysの指導の元で魔法の勉強をするはずなのですが、Ixiaの元国王の甥とその家来達に誘拐されるは
血の儀式のために次々と少女を誘拐、拷問、強姦、殺人する連続殺人鬼の捜査にかかわってくるわ、伝統的すぎるSanseed clanから分離して
Sitia　征服をもくろむ　Daviian clan　の悪だくみにも巻き込まれてしまいます。危機一髪の状況もたくさんありますが、その中でYeleraは
自分の魔法の能力を発見していきます。今回はSitiaが舞台ですが、ご安心を！　Valekもちゃんて出てきます。
是非読んでみて。

Studyシリーズ第2作。
Ixiaのコマンダーの命を救ったYelenaだが、魔法の能力が禁じられているIxiaの法によりコマンダーはYelena暗殺の命令を下す。またも死を逃れるためにYelenaは生まれ故郷でIxiaの敵国であるSitiaに逃亡する。幼いときにさらわれてIxiaにつれてこられたYelenaには故郷の記憶がない。共産主義を連想させるIxiaのシステムとは異なり、自由だが混沌とし、魔法が重視されるSitiaにYelenaはカルチャーショックを受ける。また、再会した家族の反応もYelenaには異質のものだった。とくに兄は彼女をIxiaの敵のスパイだと糾弾し、彼女はここでも孤独を味わう。
惜しむらくは、第一作ではあれほど鮮明だった登場人物たちの性格がこの本ではあまりみられないことだ。特にValekで彼らしい複雑さが薄れているように思えて、それが残念である。兄のキャラクターにいたっては、作者の意図を疑わずにはいられない。
とはいえ、IxiaとSitiaの政治的、文化的違いや魔法の力など新しいトピックが加わり、ValekとYelenaのロマンスも継続し、読みごたえがある第二作である。