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走れメロス(声にだすことばえほん)

価格: ¥1,260
カテゴリ: 大型本
ブランド: ほるぷ出版
Amazon.co.jpで確認
表紙が売りなのに表紙がだめ ★☆☆☆☆
「走れメロス」が現在いくつの出版社からいくつの版が出ているのか正確な数は出てるか知らないが、すでに相当な数が入手可能なわけで、とにかくこのSDP Bunkoというシリーズの売りはスターダストご自慢のタレントの写真を表紙にしてますよということだから、表紙が良くなければ意味がない。
さてそれでここで使われている林遣都の写真だが、何をどう間違ったのかというレベルの全くサイズのフィットしてないダサすぎるジーンズを穿かされて、スタイリストも写真家も恐ろしく低レベル。こんなものを表紙にしただけで若者がこの本でメロス読むと思ってるのならとんでもない勘違いも良いところ。
ページレイアウトも素人臭くて出版社のやる気を感じないし、どう考えても他の版で読んだ方が百倍もマシ。
ヘンな私小説性に馴染めない……。 ★★★☆☆
『走れメロス』『駈込み訴え』などのフィクションは流石に面白かったが、
『東京八景』『帰去来』『故郷』などの私小説性に対して違和感を覚えた。

なんで太宰先生はこんなにも明け透けにプライバシーを量り売れるのだろう。
この作家にとっては、プライバシーの量り売りが文学なのだろうか。
プライバシー保護の概念の薄い時代とはいえ、明け透け過ぎる。

勿論、タテマエ上プライバシー晒しは目的なのではなく、手段のひとつに過ぎないのだろうが、
実際は文学以外の面で作者のプライバシーを漁ることを読者に求める所為になってしまう気がする。

「私は絶対に嘘を書いてはいけない。」などと書かれたら、
それが本当かどうかを探りたくなるのが人情であろう。然し、その詮索は決して文学ではない。
実体験に即した私小説とはいえ、小説内で完結させるのが本筋ではないのか。

また小説本文を読む限り、作者は田舎の家族にきちんと断りもせずに、
家族をネタにした話を書いて原稿料を貰っていたようである。それは可笑しいだろう。
自分ひとりのことを量り売るならまだしも、他の人間を勝手にダシにするのはなんなのか。



私は本書を読み、太宰治の人気の秘訣のひとつは、作者が読者をプライバシー漁りに駆り立て、
作者自身のプライバシーと作品を重ねて読ませる手法が大きいように感じた。
理屈は分かるが、なんか違う気がする。

加えて、作品内でさかんに過去作品に言及してページ数を稼ごうとする手法もくどい。
その手法はまた露骨な自作品宣伝と受け取られても仕方があるまい。作者の意図に関わらず、である。
小説内で小説を宣伝するというのは如何なモノか。絶対にやるなとは言わないが、くどい。

ユダよりもさもしく見えるのは私だけか。
頽廃の先 ★★★★☆
「ダス・ゲマイネ」「満願」「富嶽百景」「女生徒」「駆け込み訴え」「走れメロス」「東京八景」「帰去来」「故郷」の全9篇を収録した短篇集です。 自己の存在を可能な限り客体化し、そして顧みること。頽廃的な事柄の眼前には一体何が待ち受けているのでしょうか。とりわけ「女生徒」「走れメロス」が秀逸であると思います。



「それだから走るのだ。信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題ではないのだ。人の命も問題ではないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ」
生きれ太宰 ★★★★★
走れメロス、読むたびごとに熱いものがこみ上げてきます。
ある人たちにとっては生きる原動力になるような作品ではないでしょうか。
本作の吸引力の最大の要因はやはりメロスの走る動機でしょうか。
将来の夢、希望、幸福な家庭、明るい未来、つまり自分にとって「得」になるもの
そんなもののためにメロスは走っているのではない。メロスは信義のために走っている。
ゴールに待っているものは代償としての死しかないのですが、メロスにとっては
天秤にかけるまでもない自明の真理。

ですがメロスも人間、気持ちは肉体的な限界と反比例し、
邪念が生まれる。しかしそれを払拭するかのように力を振り絞った
走れメロス!という心の叫び。さらには次の「私は信頼されている。私は信頼されている。」
というつぶやき。長距離走の時、誰しも一度は経験のある心の叫びのリピートw
(爆風スランプのRunnerだったりもしますが(笑))
「私は信頼されている」という心の叫びに一切虚飾はないのですが、
その叫びの動機が「時間内にゴールを目指すこと」すなわち「死」でしかないところに
勇者の悲劇的な宿命と、この物語の現代に対する救済が同時にあるのではいでしょうか。

走れメロスは作者にとっては間違いなく生きれ太宰だったと思いますが、
一体何に向かって走れば(生きれば)いいのか、幸福か、富か、名声か、
そうではなく、「もっと恐ろしく大きいもの」に向かって、つまり
作中では真っ赤な斜陽が象徴的に出てきますが、「信義」に向かって走ることで
太宰は生きる糧を見出したのではないでしょうか。
この辺りは仇敵三島とも重なる気がしました。
対応する作品は憂国あたりでしょうか。
なんだこれ〜 でも面白い ★★★★☆
著者中期の短編をまとめたもので、
エッセイ風のものが多いのが特徴。

表題作のほかに、「駆け込み訴え」「富岳百景」などの名作が収録されており、お得な内容。

個人的には、コメディタッチのエッセイ「畜犬談」がオススメ!