生きているから働くのさ、とさわやかに言いたい
★★★★★
親から子にこの本に詳しく書かれているようなことを、伝えることができたら最高だなあ、と思います。「働くことで生きていることを自覚できる」(P66)なんてフレーズは、私は言いにくいですが、著者はさらりとさわやかに伝えてくれています。それも、ただ建前的な話じゃない。事例、事実を織り込み、読者に考えさせながら、それぞれの結論に導いてくれる、そんな本です。
「ゆとりの四法則」は、いま働いている私たち親世代にも役立つ話だと思いますし、雇用する側に立っている人も、一読して損のない内容です。できれば、この本を親子で読んで、お互いに感じたことを話し合ったりできればいいですね。「指揮者のいない室内楽団こそ二一世紀社会にふさわしいのではないか」(P150)との組織論、リーダー論のほか、随所におもしろい論点がちりばめられています。