かつての教え子は、十八歳の青年になっていた──。
未だ少年性を残し、鋭いまなざしに光を宿した青年と、その光を失いかけているぶっきらぼうな青年、それぞれが内に抱えた問題とは？
「無機質な金属の塊の中で──、宇宙をひとりぼっちで飛んでいる犬のことを思うと、胸が苦しくなるよ。そういう種類の寂しさがあるんだな、って」
邂逅を果たしたふたつの孤独な魂が、そっと寄り添う。

男性作者が描く、淡々としてドライ、しかし熱量の高いBLタッチの作品。
約24000字。