ダール教団が惑星人口の過半を司牧する世界
断食月明けに催される破瓜祭はダール教の最も重要な祭典である
その年に16歳になる少女はみな、そこで祭司によって破瓜される
祭司候補生の絶対数を確保するためにはじまったこの性的祝祭は
同時に信徒である男達に試練を与えていた

「女の人生は破瓜した男に帰属する
　では他の男に破瓜された女性を、おまえは愛せるのか？」

その試練に打ち克てた男、打ち克てなかった男
いずれの死をもダール神は優しく懐に迎えるだろう

「破瓜祭」をテーマに編纂した公式資料集
『コルキータ』等物語群の読解研究に必携の書

【収録作品】
・破瓜祭
・少女を死刑に処する
・狂おしいまでに青（『物語匣』収録）
・ママリッタの破瓜（『一つの愛とその他の狂気について』収録）
・アラーニャの祖父は死んだ（『物語匣』収録）
・断食月と破瓜祭の起源（『偽バスタールによる教団史』収録）
・破瓜祭と祭司（『偽バスタールによる教団史』収録）
・娼婦コルキータ誕生（『コルキータ』収録）
・ルイックとクリオッタ（『コルキータ』収録）
・東方帝国建国（『コルキータ』収録）
・ハルドゥバル神殿看護騎士団（『コルキータ』収録）
・冷たい臓腑　（書き下ろし掌編）