インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

真贋の洞察―保守・思想・情報・経済・政治

価格: ¥2,000
カテゴリ: 単行本
ブランド: 文藝春秋
Amazon.co.jpで確認
相変わらず鋭い眼、冴え渡る切れ味 ★★★★★
最近の評論を集めた論集。中でも白眉は、小熊英二「民主と愛国」を批評した一文。
戦後進歩主義者を大量に紹介したあの大著を、昔麻薬のように全身を痺らせて読んだ人には、思い出をまさぐるようにして読む本、好きな人にはうっとり聞き惚れるような曲だと表現する。
もう誰も相手にしてくれなくなった彼らには、心を慰めてくれる”癒し”だと痛烈な皮肉。
しかし、大半の人にとっては、もう終わった話であり、誤りと分かった歴史認識を、何をいまさらという本と指摘。
小熊氏が絶賛する丸山眞男・大塚久雄の思想の根底にある矛盾・知的怠惰を、分かりやすく指摘して説得力がある。
原題「癒しの戦後民主主義」は、小熊氏の「癒しのナショナリズム」も茶化していて秀逸。
「癒しのナショナリズム」は、著者が初代会長だった「新しい歴史教科書をつくる会」を手厳しく批判する本なのでその意趣返しかも。
ほかに、上野千鶴子の露悪趣味というか露出趣味の根底にある精神病理を指摘した「廃墟の思想家」も的確な評論だった。