よくわからない。
★☆☆☆☆
難しい専門用語の羅列で読みにくくてよくわからない本。
それでもなんとなくわかるのは、
グローバリゼーションの流れの渦の中から脱出して、
経済的鎖国をしてそこそこの内需に専念するなら、
それなりの豊かさをこの国はこれからも享受できるんではないかと、
そういうことが言いたいんじゃなかろうかと。
まあ題名の割にはあんまり元気が出て来なかった本でした。
内容は題名ほど難しくない、、、
★★★★★
日本が豊かになれないのは、どう考えても、デフレ(自然利子率の低下)によって金融政策が効かなくなっていることであって、標題の論理も一理あるが、そんな事をハードカバー一冊を使って説明されたくなりと思うのが普通の感覚、、、
、、、
でも、内容は、標題の理論は一部であり、日頃の切れのある北野一氏の理論がキラ星のごとく並べられているので、食わず嫌いは損である、、、
、、、
北野一氏は、日本のエコノミストの中では最も切れ味の鋭い方であるが、本人いわく、「あまのじゃく」であり、そういう性格が、損をしているが、ある程度、経済に精通した人であれば、読めばその価値が分る、第一級のオピニオン集である、、、
日本病の処方箋
★★★★★
日本が陥っている真の病についての分析と、その処方箋である。
著者によると、日本は慢性的引き締めの結果、
深刻なデフレに陥っているという。
慢性的引き締めをもたらしているのは、
人口減少による相対的に低い潜在成長率と、
グローバリゼーションによってもたらされた
高い資本コストの組み合わせだ。
潜在成長率を上げることができればよいが、
それは現実的に難しい。
そうなると、資本コストをいかに下げるかが
テーマになる。特に、期待されるのは、
企業が合理的な資本政策に取り組むことだ。
企業経営者に、ぜひ読んでもらいたい一冊である。
株式相場に対する金利の影響の低下など、参考になる視点はある。
★★★★☆
「(P.40)自己資本よりも株主資本という言葉を使うべき」、「(P.49)1999年ごろの過剰設備は、需要の不足の影響が大きい」、「(P.59)外国人投資家が日本企業に要求するリターンは、欧米あるいはアジア企業に要求するリターンと同じ」、「(P.80)日米ともに株式相場に対する金利の影響は低下」、「(P.91)日米のインフレ率格差は3%で安定」、「(P.121〜P.125)政党の政策位置」、「(P.184)日米株式相場の劇的なデカップリングはPERの変化で生じる」など、参考になるか良いまとめになっている。
ただ、本書には、実際の経営者の心理分析が若干不足していると思われる。企業経営者が借入金を増やさないのは(経営者の銀行に対する不信についてはP.52で指摘があるが)、近頃はアクティビストファンドや企業年金連合会などの一部株主から要求が強まっているとはいえ、まだ経営者にとって株主の方が、いつ貸し剥がしなどを言い出すかわからない銀行よりも当てになる場合が多いからだろう。ブルドックソースの一件を見ても日本の従来型株主が頼りになると思うのは当たり前で、経営者が負債構成比を上げてROEを高めるのを躊躇する心理は私には理解できる。まあ、いつまで日本の従来型の要求が少ない株主がいるかは問題だが。また、このサブプライムローン問題の影響がある時期に、ROE重視の風潮がいつまで続くか見物である。
日本一のストラテジストとの看板が泣く!
★☆☆☆☆
これで本当に日本一の投資ストラテジストなのか。
国際金融市場で今最大の問題となっているサブプライム問題や信用危機への分析もほとんどない。世界経済でいま最大の課題となっているインフレと景気後退の併存、すなわちスタグフレーションが日本経済や株式市場にどのように影響するかという重要な視点も欠落している。
日本株に限っても、一株利益の持続的成長の可能性やそのリスクについての洞察も見られない。また、日本株のバリュエーションに関する見解もない。
所詮、過去20年間低迷している日本株のストラテジストの実力とはこの程度なのだろうか。
しかし、将来予測に関して、自分の能力の限界を認めている点などは、素直で正直な人柄が感じられ共感をもった。
プロとよばれている日本のストラテジストの今後の奮起を期待したいものだ。