メランコリック・ドリィムタワー(PCG文庫)
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「君は新たなヒーローだ」
主人公篠崎一夜(しのざきいちや)は見知らぬ世界で目を開くと、
やはり見たことのない男にそう言葉を浴びせられた。
「この塔の最上階に囚われのお姫様がいる。君に是非、この姫を助け出してもらいたい」
まるで何処かのRPGか小説のような言葉だった。
一夜は様々な疑問を抱きつつも、男の言葉に従う他なかった。
帰るためには、姫を助けるしかなかったからである。
塔には嘗て一夜と同じようにこの場所へ呼ばれた人々がいた。
声帯と聴力を奪われた一階の住人、「藤堂直人(とうどうなおと)」。
視力を奪われて尚、傍観を決め込む二階の住人、「御影亨(みかげとおる)」。
色力を奪われた、色に愛着を持つ三階の住人、「秋山咲人(あきやまさきと)」。
彼らは何故塔へ呼ばれ、そして姫とは何者なのか。
現実で起きたある「事件」との関係が見えた時、
一夜は「彼」に辿り着く。
彼らと一夜の塔で過ごす日々は始まった。
姫を助け出すために。
この場所から帰って、命を絶つために。
各々の想いを抱えながら。
---憂鬱なる一つの塔と、5人の自殺志願者の物語。