この「ユーモアの卵」は、４つのカギ括弧（「　」）で構成された会話（快話）集です。この中には、これまで折に触れて記憶に残った会話や人づてに聞いた会話、想像を巡らして創作した会話などが集められています。いうなれば、ユーモラスな会話のコレクションといえましょう。人は集まれば会話を交わします。温かい会話になるか否かは、会話に加わった人の心持ちと発する言葉によって左右されます。駄洒落やジョークを飛ばす人が、その場の会話をリードすれば、笑いころげるような雰囲気になるでしょうし、機知や教訓めいたことを話す人がいれば、周りの人は啓発を受けて開眼したような気分になるでしょう。逆に、悪口めいたことを吹聴する人がいれば、しらけた空気に包まれるでしょう。人は会話を交わすならば、できればネガティブな会話よりもポジティブな会話を望んでいます。交わした後の爽快感がたまらなくよいからです。日常会話の断片だけで物足りないところもありますので、会話の後に補足の説明をつけました。平素の会話の殻を破って、小気味のよい快話を心がけるために、この「ユーモアの卵」４カギ快話集を参考にしてください。

著者略歴：　さっさ　とし
１９４９年別府市生まれ。１９７１年、宮崎大学教育学部卒業後、宮崎県内で教職を務め、２００８年退職。会員情報誌「ひょこっと」に、ユーモアのある会話やエッセーなどを連載。