この巻が一番好きです
★★★★★
全巻持ってますが、この2巻が一番好きです。
家光と有功の心情描写がいいです。
男女が入れ替わってるのに、側室として家光ひとりを独占できない辛さは、
源氏物語に出てくる紫の上とかとかぶるんですが
全然違和感がないです。よしながふみすごいなぁって思いました。
三代将軍家光の時代まで遡ります
★★★★★
今回は三代将軍家光の時代まで遡ります。
院主様が罠によって還俗させられるのですが、
最後の院主院のあでやかな姿が妖艶で・・・・
2巻から読み始めることもできるように書かれています。
素晴らしい
★★★★★
大奥の第二巻です。
一巻から時代がちょっと遡って、三代将軍家光の頃。この世界ではこの頃に15歳から20歳くらいの男性だけが流行病で次々と死ぬということが始まったとされており、その余波で徳川家光も死去。跡取りも残さないうちに将軍が死亡してしまったのでは戦国時代にさかのぼってしまうということで、急遽、家光を溺愛して実験も握っていた春日局が家光死亡を伏せ、誰もその存在を知らなかった家光の庶子の娘を影の将軍としてたてたという設定。当然、この将軍は本当は存在していてはいけない将軍なので、その存在も秘し、しかし家光の血統を残すために大奥に種馬として男子を入れていったというような設定。
まぁ、設定そのものが上手いのはあるんだけれど、そういう将軍の元に顔見せにきた京都の公家の息子が、彼女に気に入られ無理矢理大奥に入れられるところから始まるラブストーリーがこれが切なくてよかったです。秘密を知ってしまった男子は一生飼い殺し。さりとて、将軍である姫はどの男も嫌い。しかし、この公家の血を引く美男子には徐々に心を惹かれていく。どちらも望まぬ運命の中にありながら、より苦しんでいた将軍(姫)をいつしか愛するようになっていく公家の有功。
男女が逆転した不思議な世界で生まれた愛。
いいですねぇ。前回の「大奥」も良かったけれど、今回のそれは、設定はSFであり時代物であるけれど、基本的には少女漫画の王道的な感じがしてどっぷりと入りこんで楽しみました。案外、ベタベタな恋愛ものとか、自分好きかも知れません。
また主人公の二人の造詣がともに見事。男のほうも、最初はバリバリの典型的な本物の世俗を捨てた僧侶だったのが、だんだんと男っぽくなっていくとともに清濁併せ持つ懐の深さも出て来て、かっこよくなっていく。女の方も、最初はただの子供だったのが、自分の中の苦しいところ満たされないところを表現できるようになり、自分を受け入れられることで想いが全開になり、、、本当にいい感じでした。
綺麗に過不足なく一冊の本にまとまっています。お勧めです。
生きるために押し隠された屈辱と痛みの暴露
★★★★★
よくぞここまで描いてくれましたという感じ。
その胆力とすさまじい賢さに脱帽します。
男女のパワーバランスが逆転したことで、男も個人でなく
種馬として他者に選ばれて格付けされ、
人生や存在価値を他人が決める存在となる。
しかし女将軍とて同じ。
権力を持ち、国のため、家のために女だけでなく男の人生も消費されてゆく。
1巻より2巻では、家光の母をレイプした父、
家光をレイプする男、その男に孕まされ、嫌でも産まされてしまう家光、
しかし産まれたら子をかわいいと思ってしまう家光、
選ばれる立場になれば、男同士でもやはり
家柄・容姿・性の商品としての出来不出来の上からもけ落とし合い、
性はやはり他者を貶める手段に使うこと、
同性にも欲情して性欲のため、また貶めるためにレイプしあう男、
と男の性の救いようのない卑しさと、
女の性のもつ哀しさがあますところなく描き尽くされる。
それゆえ、女にとっては世紀の傑作、
男にとっては、いたすぎるか、
見て見ぬふりをして心を閉ざしスルーで、
つまらないと言う自己欺瞞に陥るかだと思います。
これが平成日本に描かれなくては
いけなかった理由と、描かれた僥倖に
痛みと感謝を。
圧倒される!!大奥の中では本当の愛すらも修羅の道
★★★★★
一巻をしのぐ、おもしろさです。この表紙のお坊様が、殿(女性)に召されるわけですが、その過程・・そして召された後・・・この人に・・・この人の恋と愛情に、大奥の非業さを感じつつ話の世界に没頭しました。殿と真の恋仲になるのに・・・。せつなくて・・。でも、彼の心は深くてあったかい・・。好きな男以外のお子を産む・・・ってどんな気持ちでしょうね・・。家来が隣で控えている寝所でセックスするってどんな屈辱でしょうか・・・。女のみである殿もつらいだろうな・・と思いました。