橋がもつ意味
★★★★★
江戸時代に生きる人々にとって、橋とはいったいどういう意味をもっていたのだろう。
現代の駅、と同じような気もするが、いや、やっぱりちがうなとも思う。
つまり、江戸と東京はまったくちがうのである。
なんてついつい当たり前のことを声高らかに叫んでしまったが、つまりはこんなことを藤沢さんは言いたいのではなかろうかと私は思うのだ。
ただ「橋」と一口にいってもそこには驚くほどの物語があって、たとえどんなに陳腐でもありきたりでも彼らはひとつひとつを一生懸命生きているのだ。
人間という生き物の哀しさと愛しさがわかる、そんな一冊だと思います。