また期待はずれ
★★★☆☆
ホイトの処女作であり大出世作、「RAVEN PRINCE」に感激して、次回作を期待してペーパーバックを買い続けてきました。プリンスシリーズは3作目はまあまあ、2作目は花がなくアウトでした。今回のSEDUCE A SINNER。ヒーローは植民地戦争中、ケベックでの大虐殺事件でフランス側の捕虜になり戦友がなぶり殺しになる地獄を見て、心に深い傷をおった英国貴族、でも心の傷を隠して陽気にふるまう社交界の人気者です。戦地ケベックでの大虐殺の原因は、味方の裏切りがあったのでは、と一人で犯人探しをはじめます。また結婚式直前で2回振られるという目にもあいますが、話の中でそれは大したトラウマではなし。一方、ヒロインは、婚期に遅れた地味な女性。人気者のヒーローをかげながら愛してきた。ヒーローが2度目の結婚式直前で振られたところで、突然、ビーローに求婚し、受け入れられるというのが話しのきっかけ、ご都合主義ですが。このヒロインには不幸な秘密があり、それでこんなに性格が暗いのか、と中盤にはわかりましたが、不幸な過去を考えても、魅力があるヒロインではありません。大虐殺事件のなぞも次作以降に持ち越しです。ヒーローとヒロインの魅力が今一つなので、作者得意の軽妙な会話もどこか、おもしろくない。
さて、次作のヒーロー(捕虜になり拷問を受け、顔の反面と片目を奪われる障害を負った寡黙なスコットランド人でスコットランドに隠棲。)は、生物学者ですが、なんとなく今回より期待できそうなキャラ立ちです。(スコットランドのお城に住んでいるのも期待できそう)ヒロインも元貴族の愛人(子供2名あり)でヒーローの家の家政婦になって、素性を隠し第二の人生を、という設定。若くない主人公の物語でおもしろくなるかも。ホイトファンの皆様、次回作に期待しましょう。