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子どもの貧困

価格: ¥2,415
カテゴリ: 単行本
ブランド: 明石書店
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子どもの貧困再発見のバイブル ★★★★★
「子どもの貧困」問題は日本では長く忘れられてきた存在だった。それを世に問い直した画期的な書である。
 世界的に見れば、「子どもの貧困」問題は各国が政治的に取り組むべき課題として位置づけられているのに、日本ではそれがなされなかったのは、この本の著者たちが云うように、子どもに対する家族の責任が過度に強調されすぎてきたからであろう。「家族依存体質」と呼んでいる。結局、社会福祉が援助するのは、家族が生活の質をぎりぎりまで落としてはじめて手を差し伸べるという「劣等処遇」の原則を貫いてきた。
 こうした状況に対して、著者たちは、子ども個人を単位とした援助に切り替え、子どもの奪われた権利を補充するために、きちんとした補てんをすることが必要であるという。
 具体的な施策としては、児童福祉、保育、保健、生活保護、就学援助、労働政策の転換、経済支援などのかなり幅広い、包括的な援助が提起されている。特に、世界一低い、最低賃金の改善や、労働時間の短縮が緊急なテーマとなる気がした。
 児童相談所や婦人保護施設、少年院、児童養護施設、学校現場などを貧困という観点から振り返っている各章も非常に質の高い出来になっている。子どもたちの今を考える上で、必読の書である。
小児科医杉原のオススメ ★★★★★
小児科医のメーリングリストですすめられているのを見て読んでみました。

これは映画「ダークナイト」につづく、自分たちが創りだしている闇の部分にスポットライトが当てられるような事実です.

1965年以降、日本は先進国には珍しく、貧困層がどれくらいいるのかという測定をおこなっていません.
「一億みな中流」ということばがかつて流行った時期もありましたが、あれはただ、貧困層をみないようにしていただけ、だったのかもしれません.

現在、子どもをとりまく環境で、虐待、ニグレクトといった見るも無惨な状況がでてきておりますが、これはその親が特別なわけではない、ということがこの本の中で明らかになります.

私たちはどうしても、こうした事件を耳にすると「おかしな人間のしたこと」「自分たちとは何の関係もない」と切り捨てがちです.

しかし、本質的には私たちの内在するこうした境界発生思想がみゃくみゃくとつながり、ひとりひとりの細い細い糸の様なものがあつまり、よじれ、だんだんと川のように太くなって、最後にはごうごうと音を立てて流れる河のようなものへと寄せ集められます.その河をまともにかぶった人たちは立ち上がることもできずに、社会で声をあげることなく、次の犠牲者をつくりだしている、という構図が私にはイメージされました.

もし、あなたの家族の1人だけがお金に困っていたら、あなたはきっと手をさしのべると思います.これが親戚だったらどうでしょう.
これが同じクラスの人だったら?

人口100人の村なら助け合っていたと想像します.
かつて、石垣島はそんな雰囲気が残っていました.(今はどうなってしまったでしょうか)

あなたがどこまで自分というものの領域をもつかで、世界がかわっていきます.
私たちは誰からも切り離されて存在しえない、究極のところ、一つの家族のようなものだからです.
知ってほしい、「子どもの貧困」の存在 ★★★★★
児童相談所、婦人保護施設など、現場からの声。
児童福祉、開発途上国での貧困など、大学の研究者。
さまざまな立場から「子どもの貧困」問題を論じています。
「論文」とはいいがたい文章もありますが、
読んでいて思わず涙ぐんでしまう、そんな現実が伝わってきます。
この人はこの現実を知ってもらいたくて書いたんだな、って思わせる力があります。
そしてすばらしいのは、編者の方がそれぞれの内容を踏まえて、
最後に総括し問題提起をしているところです。

確かに存在する「子どもの貧困」。
私たちはその存在を意識し、考えていかなければいけない。
その第一歩として、できるだけ多くの方に読んでほしいです。

生まれた環境によって、未来に「あてのなさ」を抱くしかない子ども、ショックでした。
どうしていいか分からないけれど、どうにかしたくて、
まずはこの本のレビューを書きました。