言語と思考入門
★★★★☆
本書は心理学エレメンタルズ・シリーズの一つであり、言語と思考という問題についての入門書である。言語相対性仮説、言語習得、問題解決などについて、最近の研究等を踏まえながら分かりやすく説明している。本文は約160頁位なのでコンパクトな入門書である。最後に人名索引、事項索引、文献、用語解説があり、検索が便利になっている。またそれぞれの章に読書案内がついているので、入門者にとって親切である。
言語と思考の関係は、言語学でも議論される問題でもあるが、本書は序章にあるように認知心理学から扱っている。よって心理学の実験結果が多く説明されている。またハノイの塔などの心理学の問題もあり、入門者にとっては入りやすい内容となっている。問題の答えと解説もついているので安心である。
本書はことばと文化、言語習得、認知心理学から、言語と思考という古くからある問題について考えてみたい人にお薦めである。