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読み・書き・計算が子どもの脳を育てる (祥伝社黄金文庫)

価格: ¥530
カテゴリ: 文庫
ブランド: 祥伝社
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   書名自体が、ズバリ本書の結論だ。ブレイン・イメージングを用いたヒトの脳高次機能の解明研究に携わる学者が本書で提唱しているのは、「読み・書き・計算のすすめ」である。これら基礎的な学習を十分に行うことで「考える力もつく」との仮説を、脳の働きから科学的に、かつ、やさしく解明している。

   まず、人間の大脳について解説する。大脳の中でも“人間ならでは”の思考活動をつかさどっているのが「前頭前野」であり、この部分をしっかり育てていくことが大切だという。ヒトがものを考えたり、活動しているとき、脳のどの部分が使われているのか。本書ではカラー画像を使って脳の働いている部分を示し解説する。

   たとえば、目で覚えようとするときよりも、書きながら覚えようとするときのほうが、脳の多くの場所が使われていることが分かる。音読は、黙読よりも働いている脳の範囲が広がっている。一桁(けた)の足し算をすれば、前頭前野は活発に働く。「読み・書き・計算は脳の全身運動」という著者の主張に、思わず納得してしまう。障害児の脳の機能回復にも、「読み・書き・計算」は有効だという。だから、脳の発達において重要な時期に当たる小学校低学年では、「寺子屋的」教育を実施していくべきだというのが著者の主張。

   翻って、新しい学習指導要領における小学校低学年での「読み・書き・計算」は十分なのだろうか。不安を感じたとすれば、家庭でフォローしていくしかない。(清水英孝)