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正義で地球は救えない

価格: ¥1,050
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
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人それぞれ価値観が違う ★★★★☆
今まで環境問題≒二酸化炭素削減という単純な議論しかなかったが、公然とその論理を批判する内容は新鮮だった。
多少、独善的な部分もあったが一読する価値あり。
主に池田清彦氏による愚痴 ★★★☆☆
今回の作品は、前作の"ほんとうの環境問題"に続く第2弾である. 前作では、池田清彦氏と養老孟司氏とがほぼ同等の割合で登場していた. 一方、今回の作品では池田清彦氏がメインとなり、最後に二人の対談が載る体裁になっている.

内容は主に地球温暖化に関する社会情勢に対して、著者達が日々思っていることを述べている. 例えば、地球温暖化に関して、二酸化炭素の排出はなんでもかんでも悪だというような報道をする日本のマスコミに対して、著者達の不平不満が記述されている. ただし、地球温暖化に関する科学的な記述に関しては、著者達の明らかな理解不足が目立ち、最後は感情論となってしまっている. そのため、環境問題に関する専門書というよりは、著者達の随筆に近い内容となっている.

この本は、地球温暖化に関する正しい知識を得ることに対してはあまり向いていないが、地球温暖化問題に関する多角的な視野を得るという意味では、参考になると思う.
とっても大切な本だと思う ★★★★☆
 この本は、本人達が意図しているかはともかく、環境ファシズムに正面から挑戦し、それに抑止的に働いている点で大切な本だと思う。確かに地球環境問題の科学的真実性は結論が出ていない。にもかかわらず世論のアリーナでは、社会的真実性は所与とされている。なぜ世間は科学的決着無しに真実だと受けとめているのか。
 私たちは18世紀のイギリス産業革命以降、ローカルな文脈で多くの公害問題の経験をもっている。戦後日本が経験した四大公害では、各学会を代表する著名な学者が証言台に立った。個人的に随分と資料を読み漁ったが、証言を行った科学者にも瑕疵があったように思う。だが同時に、政治性の強い原告弁護団のイデオロギー性には留意するべきだ。世論が地球環境問題の存在を信じる背景には、これまでのローカルな環境破壊あるいは公害問題の経験があるのかもしれない。
 ある高名な物理学者は、「科学の本質は疑うことにある」と書き残している。常識や真実と言われるものを常に相対化していくことは、科学の発展に重要であると同時に、自由な社会を維持するためにも大切である。私たちは自由度の高い条件下で、自己の行為を選択し、はじめて地球環境問題を含むそれら行為の結果に責任を感じることが出来る。
 この本は、常識を疑い、地球環境問題の本質を再考する契機になりうる。その結果、著者らの意図に反して、環境問題の危急性を再認識するきっかけとなることを個人的には願っているところが、私のヘタレ心情左翼なところです。
複眼的思考のトレーニング ★★★★☆
環境問題は経済問題であり政治問題である、ということで、複眼的思考のトレーニングになる内容。
また、地球環境という複雑なシステムを現在の科学で解明しきれるわけではない。だからいろいろな仮説が並存しえるのであり、「オレが正しい、俺様が正義なのだ」みたいな子どもっぽい態度はみっともないし危険な行為にもなりうる。
昨年夏には地球温暖化が氷河期の到来を防いでいる、という仮説も発表されていた。
まあともかく、あとがきで「私は自分が「正しい」などと思っていない。」と言える養老さんの態度は大人だなあ、と思う。見習いたいものである。
わかりやすい!! ★★★★☆
一つ前の作品も読んだんですけど、両方ともかなりわかりやすくて参考になりました!著者の二人は難しい話をわかりやすく話してくれるのでかなり気軽に読めると思います! この本を読むと自分が今まで正しいと思っていたことが間違いであることに気づいて、とても恥ずかしくなりました。