イタリアンロックの名盤。リマスターにボーナス追加!
★★★★★
イタリアのプログレバンド、プレミアータ・フォルネリア・マルコーニの1975年作/2010年リマスター
前作「甦る世界」までの初期の4枚に比べ、本作はファンの人気がいまひとつであるようだが、
内容的にはまったく劣らない。そればかりか彼らの作品中で最もテクニカルな一枚といってもいい。
かつてのUK盤ジャケが太ったマリリン・モンローであったように、巨大化するアメリカを揶揄した作品で、
1曲目の“FROM UNDER”から、その見事な演奏に引き込まれる。ダイナミックなアンサンブルに
マウロ・パガーニのたおやかなフルートとヴァイオリンが加わって、これまで以上に音の厚みと
静と動のメリハリがついたサウンドは、バンドとしてのひとつの頂点というべき輝きに満ちている。
もちろん、テクニックだけでなく、メロディにはしっかりイタリアの情緒と地中海的な優しさが残っていて、
その歌ごころを忘れない楽曲作りには、改めて敬服するばかりである。リマスターによる音質向上も嬉しい。
テクニカルさとメロディアスさと、アコースティックなやわらかみのバランスがとれた傑作アルバムだ。
ボーナスDiscには1976年イギリス、ノッティンガムでのライブ音源を7曲収録。当然ながら素晴らしい演奏に悶絶。