イタリアンロックの名盤。リマスターにボーナス追加!
★★★★★
イタリアのプログレバンド、PFMことプレミアータ・フォルネリア・マルコーニの1973年作
イタリアンロックを代表するバンドであり、日本人にも最も人気のプログレバンドのひとつ、
これはその3作目であり、英語による世界デビュー盤。個人的にも一番最初に耳にしたイタリアの作品で、
美しい点描のジャケと、「幻の映像」という日本タイトルにはひどく胸をときめかせたものだ。
今回は2010年の最新リマスターによる再発で、ボーナストラックも多数収録したまさに必携盤。
まずはなんといっても、1曲目の“River of Life”が素晴らしい。やわらかなフルートとシンセが合わさり
ゆるやかに盛り上がってゆくこの美しさは筆舌に尽くしがたい。続く2曲目の“Celebration”のコミカルなキャッチーさ、
たおやかなピアノで始まる“Old Rain”の優しい情緒、マウロ・パガーニのヴァイオリンにアコースティカルな素朴さと
クラシカルな感触で聴かせる大曲“Il Banchetto”、テクニカルな演奏が見事な“Mr.9'til5”など、
あらためて鑑賞しても、リマスターによる音質向上もあって、どの曲もじつに味わい深く楽しめる。
ボーナストラックには“River of Life”の初期ミックスなど6曲を追加収録。
現状で入手しうる最良の音質の Photos of Ghosts
★★★★☆
PFMの世界進出のきっかけとなったPhotos of Ghosts(幻の映像)の2010リマスター盤。
この作品は、一般にPFMの代表作とされ、現在まで国内輸入を含めてさまざまなバージョンが出回っていて、これからPFMを聴かれる方は、どれを選択してよいか迷われると思う。私見だが、ビクターのK2盤は、高域のレスポンスは向上しているものの、中高域の歪みっぽさが目立つ音質であまり良いリマスターとは思えず残念な思いをしたものだが、このESOTERIC盤は、高域のレスポンスこそ程々に抑えられているものの、中高域の荒れや歪み感をあまり感じさせず、なおかつ繊細感、解像感なども納得のゆく音質に仕上がっていて、これからPhotos of Ghostsを聴かれる方は、迷わずこのESOTERIC盤を選択することをお勧めする。しかし同じK2盤でもELPなど確実に音質が向上しているので、これはK2リマスターの問題ではなく、K2リマスターによりマスターテープの音質がさらけ出されてしまった結果だったのかもしれない。これは、ピートシンフィールドによる再編集で、相当に音質が劣化してしまった再編集版は、オリジナルにほとんど手を加えられていない 5 、歌詞が英語に差替えられた1、3、歌詞が追加された 6、新録音された2、4、など、録音状態がバラバラだったが、それも不自然さを感じさせない程度に修正されている。しかしビクターのK2盤のような高域のキレやレスポンス向上は無いので、リマスターにその手の音質を要求される方には向かないかも知れない。なお商品説明では[Import] [from US] となっているが届いた盤はEU盤だった。封入されているブックレットは表紙を含めて16ページで英語の解説とメンバーの写真で構成され、歌詞も付いている。