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Star Trek: Enterprise - Complete Third Season [DVD] [Import]

価格: ¥7,285
カテゴリ: DVD
ブランド: Paramount
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   『スター・トレック エンタープライズ』の第3シーズンは、シリーズの共同クリエイターであるブラノン・ブラガが“24時間続くひとつのエピソード”と形容していることでも分かるように、全4シーズン中最高の出来ばえを見せた。いわゆる“ズィンディ・サーガ”を主軸として展開するストーリーは、デルフィック領域という危険エリアを舞台とすることで、スリリングな雰囲気をかもし出している。異星人との接触や空間のひずみの発生により、アーチャー船長(スコット・バクラ)は、際どい決断を迫られる。それは、彼の倫理基準を揺さぶるものだった…。新鮮な切り口の必要性を感じたブラガと相棒のリック・バーマンは、テレビ界で活躍するベテラン脚本家マニー・コトを雇った。こうしてコトは、今シーズン中もっとも出来の良いエピソードのいくつかで、原案と脚本を担当(もちろん、マイク・サスマンら続投組の健闘も忘れるわけにいかない)。コトの参加は、“ズィンディ・サーガ”を構想する上で大きなプラスとなった。前シーズン最終話で、地球はズィンディの攻撃を受けたが、これが“ズィンディ・サーガ”の幕開けとなる。アーチャーは、地球攻撃に使用された恐るべき兵器を破壊しなければならない。この重要任務は、第3シーズンを通しての主要テーマとなっている。加えて、キャラクターの多彩さとズィンディ評議会をめぐるサブプロットが強いドラマ性を生み出す。評議会では、ヒト族ズィンディに属するデグラ(今シーズンのレギュラー、ランディ・オグルズビー)が理性を代表し、爬虫類族ズィンディのリーダー(スコット・マクドナルド)が憎しみを代表する。両者はきわめて重要なキャラクターであり、その運命は悲劇的に結びついていく。

   低視聴率と予算削減(宇宙船絡みのエピソードになると最小限のキャストしか使えない)に見舞われながらも、第3シーズンはこれまでと同様の面白さを維持し、番組のレギュラー陣に多くの見せ場を与えた。不眠症に悩むトリップ(コナー・トリニアー、以前にも増して快調)とトゥポル(ジョリーン・ブレイロック、今シーズンで髪型と衣装をチェンジ)がバルカン式のセクシーな神経マッサージについて会話するあたりなど、最高に笑わせてくれる。トゥポルが実は薬物中毒だったという設定は、ブレイロックの演技に感情的な深みをもたらした。その一方で、保安主任リード(ドミニク・キーティング)は、エンタープライズの軍事部隊MACOを率いるヘイズ少佐(頼もしい助っ人スティーブン・カルプ、当時は『デスパレートな妻たち』第1シーズンに出演中)と激しいライバル関係に。リードはMACOに不信感を抱いているのだ。ホシ(リンダ・パーク)とトラヴィス(アンソニー・モンゴメリー)については、うまくキャラクターが膨らんでいない。だが、ドクター・フロックス役のジョン・ビリングズリーは、一世一代の当たり役を得て、相変わらずの名演を見せている。特に、「フロックス船長の孤独(Doctor's Orders)」や「ライサリア砂漠幼虫(Similitude)」といったハイライト・エピソードでの活躍が見ものだ。後者では、トリニアーもビリングズリーに負けじと頑張っている。彼は、クローン人間の創造という倫理的に微妙な(だがファン受けのいい)問題に関わりを持つことになる。つまり、『スタトレ』がもっとも得意とする題材を扱ったエピソードということだ。

   「留められない記憶(Twilight)」における“もうひとつのタイムライン”という題材も、『スタトレ』の伝統を受け継ぐものと言えるだろう。「新たなる脅威の兆し(Harbinger)」では、球体創造者と呼ばれる異次元集団の存在が発覚。彼らの球体は月ほどの大きさがあり、第3シーズンで描かれるエンタープライズの任務に影響を及ぼしていく。最後に、ストーリーの決め手として、アンドリア人のシュラン(ジェフリー・コムズ)を挙げておきたい。不気味な展開を燃せる今シーズンにあって、シュランはサスペンスと笑いの両方を提供し、惑星連邦成立以前の政治情勢に深みと一時的な協調をもたらす。このことは、シーズン・フィナーレ「最終決戦(Zero Hour)」の衝撃的な幕切れにおいて、より大きな意味を持つ。第4シーズンでのサプライズにつながるその展開は、『エンタープライズ』を初代シリーズ『宇宙大作戦』のタイムラインにいっそう近づけることになる。(Jeff Shannon, Amazon.com)