主人公と文章が魅力的
★★★★★
著者の処女作です。
が、文章もきびきびしていて読みやすいし、お話しの展開にもめりはりがあり、もたもたしないで、進んでいきます。
現代のロマンス小説は登場人物が多すぎ、また脇役の性格付けを丁寧にするせいか、話しが長いのが多いですが、このお話しは適度な長さが心地よいです。
また、ホットなシーンの描写も下品にならないところは上手で、どきどきさせてくれます。総合的にエンタテイン力が高い質の高い作品に仕上がっています。
主人公はロマンス界ではやりつつある?(笑)不細工ヒーロー(ボディはでぶではなく素敵なところはポイント!)&未亡人ヒロインです。このボディナイスなヒーローがヒロインに対する悶々とした思いに耐えかね、ロンドンの高級売春宿通いを企てるのですが、これに対してヒロインは自分が相手になるべく、ちょっと現実では考えられない大胆な行動に出ます。
ヒーロー、ヒロインのやさしさは、行動を通して語られ、特にヒーローの老執事(ぼけを装っているが実は人を見る目はするどい)との会話は、なかなか面白く、ヒーローの何気ない優しさがうまく表現されており、感心しました。
とても素敵な作品です。