この本は「キャリアコンサルタント渡部俊和」が、毎年、就職活動中の学生、一般の求職者5,000人以上と会い支援してきた中で、メール、ｗｅｂ上または直接の質問に答えた回答をまとめたものです。約43ページあります。

質問を受けながら、「こんなことで悩んでいたのか」と驚くものもありましたし、非常に具体的な内容もありました。ただ、学校のキャリアセンターやハローワークの窓口に聞くのは恥ずかしい、うまく説明できない、アドバイスが欲しいというニーズに対して、若干リスクを感じつつも、決めつけや誘導にならないようにしながら、一歩踏み込んだ答えを意識してきました。

普通の若者が普通に就職できない今の社会はどこかおかしいです。本当は働いて自分の手で収入を得、自立してから自分の人生がスタートするのです。

一方、企業は経済合理性を重視します。どんな優秀な応募者でも「当社とは縁がないな」と感じたら、必要以上の関わりを持ちません。その企業が欲しいと思えば「優秀」だし、必要ないと思えば「関係ない」のです。学校などで一律の評価基準に慣れている人はそのギャップに戸惑うと思います。

話していくとキリがないのですが、こうしたちょっとした認識の違いでうまくいかない、悩んでしまうという人々がたくさんいると思うと、企業側の感覚を少しでも何かお伝えしなければいけないと感じました。今回の回答の中にもそういうものがありました。

これらのQ&Aは質問者のプライバシーに配慮し、匿名で、なおかつほとんどが現在のものではなく2年前の記録に基づいて編集しています。しかし内容は決して古くはありません。現在でも聞かれたら同じように答えるだろうと思うものだけを選んで掲載しています。

世界中の人がイキイキと働き、充実した人生を送るような社会を作るのが私の仕事です。

できるだけ多くのリアルな実例を知ってもらい、「ボタンの掛け違い」を直してもらいたいと考えています。質問と回答をじっくり読んでいただければ、就職に関しての心構えや考え方が自然に理解でき、企業側の考え方を感じることができるようになっています。

新卒、中途に限らずリアルな事例を選んで載せておりますので、楽しみながら目を通していただければそれで充分です。この本が少しでも読者の皆様のお役に立てることがあれば幸いです。