著者の２００９年発行の「負けない議論術」が気に入ったので、
原点といえる２００７年発行の「負けない交渉術」を読んでみました。

たいへんシンプルですが、
著者のいう「米国流駆け引きのセオリー」が勉強できます。

今日から実践できる小技・大技がたっぷり。
少しでも得をしたい、大きく徳をしたい。
実践編として、著者のような上司がいれば最高なんですが・・・★４つ

実例があり分かりやすい。
実際に弁護士として交渉力に効果があるようなので説得力がある。
内容が自分に身に付いたら今後の人生に大いに役にたつと思う。
他の同類の本を読んでいないので評価はあまめかも。

豪腕弁護士の肩で風切る手柄自慢かと思いきや、さにあらず。

筆者も文中で書いているとおり、交渉にあたる心構え・考え方の根本的なコツのようなものが、大づかみによくまとめられ、端的に提示されている。通読しただけでもなんとなく、「ああ交渉とはこんなものか、こういうつもりで当たればいいのか」と安心感のようなものが心の芯にしっかり一本生まれ、「交渉」と聞くだけでむやみに恐れたり不安がったりする気持ちがだいぶ緩和されたように思う。
「微に入り細をうがつ交渉必勝戦略・戦術の解説書」は世に多かれど、いずれも典型的なモデル場面ごとに典型的なモデルツールの種類および典型的な使い方を述べるにとどまり、「いざ個別具体的な実践の場面で、その時点でのリソースを総動員して、それぞれの実(じつ)を取る」ために肝要な、「交渉力」そのもの、の醸成は案外難しいように思う。本書の内容は、まさにその「交渉力」の根幹の根本を、ずしっと一枚支える堅固な土台の役割を果たす。

また、小手先のテクニックを越えた、「人として」の視点を忘れない筆者の筆致にも、好感を覚えた。

そして、交渉と贈与の境目は曖昧だ。
著者の大橋弘昌さんが、
アメリカや日本企業の裁判経験から最適解を探る。

感情的になったり、相手を言い負かしても、
その時スッキリするだけで、長期的に考えたら不利益になる場合が多い。
人間は感情の動物でもあるので、気持ちはわかる。


本書には、つい自分の気持ちを最優先させてしまう人を、
思いとどまらせる内容が詰まっている。

我々は、どんな最低ラインで譲歩すればよいのか？

個人同士の交渉や、チームでの交渉で、
してはいけないコト。
安易に引き受けるのではなく、
フェアな取引を実現させるための交渉術


交渉はゲームとして楽しむこともできるが、諸刃の剣でもある。
本書を読んで、諸刃の部分で自らを傷つけないように注意したい。

集中力がない私をぐいぐい本の中の世界へ導いてくれ、
そして一気に読破した。

著者は本書全体を通じて、日本人が交渉力をつける必要性を説いている。
日本人が交渉能力を高めれば鬼に金棒だといっている。

著者の日本を愛する気持ちが本から伝わってきて
読んでいて非常に気持ちいい。

よし、私も交渉術をつけて、世界相手の取引きを成功させてみせるという気持ちにさせてくれる。
本書の交渉術は弁護士以外の方でも充分使える。
著者が紹介する交渉場面も、実生活から会社同士の取引きまで幅広く紹介されているからである。

全体的な感想は、世界で活躍する弁護士の物語を読んでいるようであって、
話はおもしろいけど、得るものがそれほど多かったわけではないので、星３つぐらいです。