極めて知的な対談
★★★★★
この本のハイライトは丸山圭三郎の「唯言論」との対談です。もっと自分の知性(同時に感性も)磨きたい人は是非お読みください。知的思考とは何かを感じることでしょう。
岸田氏の「唯幻論」は最近完成してしまったのか、あまり新たな展開を感じないのですが、現在の姿を確立する過程で井上氏のような碩学と真摯かつ謙虚に語り合うことが、如何に寄与していることか(最近はそれだけのレベルの対談者がいないということだ)。内容そのものよりも知的な対話というのはこのように進めるのだということを教えてくれます。両論の間にはかなり類似するところが見られるだけに違いを論じることはかなり困難だと思うが、それをやってのけるのだから特に丸山圭三郎は凄い人だと思います。