王十書店(漫画部門)
★★★★★
「動物を裁判にかける」という行為の理由を探っていくことにより、時代、宗教による価値観、世界観の違いが見えてくる一冊です。
水羊羹書店
★★★☆☆
本書は前半と後半とで、受ける印象がかなり異なると思います。前半部分では、殺人事件を犯した豚が法廷で裁かれて処刑される様子や、牛・ロバ・犬・毛虫・モグラ・鼠など様々な動物・昆虫が裁判にかけられる事例が紹介されており、楽しんで読むことができました。ところが動物裁判を解明していく後半部分に入ると文章が堅くなり、一般の読者向けの読み物というよりは研究者を対象にした論文といった印象を受けました。また(筆者には悪いのですが)いまいち理解しがたい部分もありました。ただ興味深いテーマであることは間違いないので、一読の価値はあると思います。
本の″ほそみち″
★★★★★
西欧中世に実際に存在した<動物裁判>をモチーフに、なぜそういう慣習がどのような背景で発生してきたか、についてアナール派史観的アプローチを通じて、当時の法が対象にしていたものや社会風俗を浮き彫りにしています。
「高い城」書店局
★★★★☆
人を害した動物を裁き、処刑する。このようなことが中世ヨーロッパでは行われていた。しかし、それは「蒙昧な時代」のせいではなく、きちんと秩序だった法体系の上で行われたことであった。それを克明に論じた本である。