天空を突き刺すかのごとく、青空高く聳える塔...岩山のごときどっしりとしたそのたたずまい...溶け出したかのような外壁の凹凸...石で出来た聖書と呼ばれる、無数の彫刻群...孤高の建築家・ガウディが４０数年に亘って心血を注ぎ込み、その生涯を賭けて設計したサグラダファミリア聖家族贖罪教会。イエスとマリアとヨゼフ、聖家族に捧げられた神の家は、ガウディがその持てる力をすべて注ぎ込んだ最高傑作だ。その独特の外観や、他に類を見ないデザインに隠されたサグラダファミリアの真実の姿。ガウディがそこに詰め込んだいくつもの斬新なアイデア、彫刻に込めた思いなど、単なる建築物としてではなく、芸術的、宗教的メッセージまでも一つ一つ読み解いてみたい。ガウディはサグラダファミリアにどのような思いを込めたのか...ガウディは人々に何を訴えようとしたのか...

サグラダファミリア聖家族贖罪教会、コロニア・グエル地下礼拝堂、グエル公園、カサ・ミラなど、７つの世界遺産建築を世に送り出した、スペイン・カタルーニャの孤高の天才建築家、アントニ・ガウディ。彼の設計には緻密な計算と、独自の研究に裏打ちされた確かな理論があった。建築物としての強度や、作りやすさ、住み心地の良さや、コスト面まで、ガウディは深く考えて設計していたのだ。教会を神の棲む家として、その生涯を神に捧げた一人の建築家の意思と思いを、彼の作品から読み解いてみよう。（掲載写真112点）

英語版「The Art of Gaudi 」と内容は同じものです. 文章が小さくて読みにくいというご指摘を頂いたので、大きく読み易く改正しました.