かつらがばれた私の生きる道【3】~彼女とのアノ最中の出来事
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どんな失態をさらそうとも、かつらがばれることを引き替えにはできない。
この秘密は墓場まで持って行くしかない。
そして、すべてを無かったことにしたいのだ。
そして、こんなことも考えてみた。
もし、かつら人が、亡くなったら・・・
そのヅラ事情に初めて気づいた家族は、ソレをどうするだろう・・・
...
やはり最後にヅラを見取って欲しいのは、妻だ。
だから、妻となる彼女にだけにはこの秘密を明かしておく必要がある。
...
ついでにだが、彼女とは職場の同僚の紹介だった。
さらに、ついでにだが、その同僚も私の頭髪事情を知らない。
二人とも変身前の哀れなハゲ散らかしたビフォアな頭部を知らないのだ。
...
「あのさぁ・・・これ、本当のじゃないんだ・・・」と、
私は真剣な顔でかつらを指差して彼女にそう切り出した。
しばらくの沈黙のあと・・・
...
妻に聞けば、付き合い始めてカミングアウトするまでの1年間、まったく気付いていなかったそうだ。
しかし、思い返してみて、ひとつだけ不思議に思っていたことがあったというのだ・・・(汗)
それは、「アノ」最中のことだったそうだ。