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仮面の家 先生夫婦はなぜ息子を殺したのか

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本
ブランド: 株式会社共同通信社
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前半はいい。問題は後半です。 ★★☆☆☆
前半は良かった。殺された息子の暴力性ではない違う一面が見え、「殺す必要など無かった」
と言う主張が自然に伝わってきた。
問題は後半だ。
後半の、母親に異様に暴力を振るう少年に対するカウンセラーの対応が余りに異常である。
斉藤学傘下のカウンセラーだが、斉藤学自体がアメリカのAC概念を拡大解釈しすぎ、一部の
世代を調子付かせ、その親世代に不必要なまでの「自虐心」を植えつけさせた人物である。

彼の論理をろくに分析もせず、その信者のカウンセラーの、母親への無茶苦茶な注文を
まるで正解のように、紙面に載せているのには、驚き呆れた。
暴力を振るって解決できることは何も無い。ましてや、母親は親でありながら女であり
子供でありながら、青年に近い子供から受ける、さまざまなバイオレンスは、不条理であり
恐怖でしかない。

なぜカウンセリングの場に、子供をつかせないのか。当事者から話を聴くのは基本だろう。
どこの医者が、患者の家族から話を聴いただけで処方箋を下すというのか。
一時の日本のカウンセリングブームの異様が見える、ある意味「反省的良書」
反面教師として読むのはいいが、信じてはいけない。

真面目で立派でありたい親にこそ ★★★★★
一般にこの類の本では「こういった事件が起こった中、我々はどうしたら良いか考えなくては・・・」といったところで終わってしまう内容が多い中、
本書後半では同じように息子の家庭内暴力で悩む別夫婦への具体的なカウンセリングの様子が載せられておりこれが素晴らしい。
読むだけで解決する簡単な問題ではないが、
「息子殺し―演じさせたのはだれか 斎藤茂男」と合わせて読まれる事をおすすめする。
父と子という視点から紡ぎ出される真実 ★★★★★
かなり前に読んだ本なので詳細な所までは覚えていないが、まず印象的だったのが判決だった。殺人それも親近者にも関わらず予想以上の情状酌量の減刑であった。確かそこからこの物語は始まる。

父と子の名前を見て気づいたのが名前の読み方が同じで綴りだけが異なることだった。そこに今回の事件と相反する父の子に対する愛が汲み取れる。父は県下NO1の進学校の教師であり、東大卒業のエリートであったが小さい頃からコンプレックスを伴う葛藤と共に生きつづけてきたという事が伝わる。左記のように本書は事件を詳細に描くだけでなくその事件の原因を探るべく両親特に父親の生い立ちをメインに記述されている。この部分がとても貴重な書物だと感じた。

紆余曲折した息子を見守っていた父親。自分がエリートコースを歩んでいた表とは裏腹に苦痛に満ちた葛藤を抱きつづけていた。それだけに本を読んでいると父としての愛故の放任的な接し方をしていたのかと感じて、胸が痛くなった。

最後にバットで殴られる部分で息子は悲痛な言葉を発する、しかし親父は「もうおそいんだよ!」と一蹴して自ら血を分けた子の命を絶つ。世の中子が親より早く命を落とすことは「親不孝」といわれるが、それ自体を自らの手で下してしまった悲しさ。事件当時はおそらく両親も多少の思考の麻痺はあったろうが、その後の失った哀しみは上記の息子に対する溺愛を顧れば想像を絶するであろう。

父親はどこまでも真面目で息子に対して愛を持ち合わせていた、しかし真面目さ故にどこか不器用な部分があったのかもしれない、そして誰にも相談せずに家庭内だけでなんとかしようと視野が狭くなってしまったのかもしれない。しかし私もまた裁判官同様父親には本当にこの哀しみを乗り越えてもらいたいと、加害者ではあるけどせつに立ち直る事を祈るばかりです。

仮面の家による事件、仮面の家からの回復 ★★★★★
ã"の本は93å¹'に出版されたものがæ-‡åº«åŒ-されたものである。高校教師である父親が家庭å†...æš'力ã‚'行う自分の息子ã‚'殺害する事件が浦å'Œã§èµ·ã"った。その事件の概要ã‚'、加害è€...である父親のç"Ÿã„立ち、家æ-é-¢ä¿‚に重点ã‚'おいて説明ã-ている。ã-かã-、ã"の本はã"の事件のルポだã'では終わっていない。

è'-è€...はã"の事件ã‚'、家庭å†...æš'力ã‚'行う息子に原因があるというような「問題ã‚'èµ·ã"ã-た子ども」に原因ã‚'還å...ƒã›ãšã€ã€Œå®¶åº­ç-...理」というè¦-点から事件ã‚'見る。親である夫婦é-¢ä¿‚が変åŒ-するã"とで子どもが変åŒ-するã"とに着目する。ã-かã-そもそも夫婦é-¢ä¿‚が変åŒ-するã"ととはどういうã"となのか。「仮面の家」から「本å½"の家」に変åŒ-するとはどういうã"となのか。それã‚'ã"の事件と対æ¯"する形で、家庭å†...æš'力から回復ã-た事例ã‚!'詳ç'°ã«ç'¹ä»‹ã-ている。その迫力ある事例は一読の値がある。

è'-è€...は、「仮面の家」ã‚'再ç"Ÿç"£ã™ã‚‹æ-¥æœ¬ã®æ§‹é€ ã‚'批判ã-ている。その構造の下で起ã"った事件が浦å'Œã®äº‹ä»¶ã ã€‚と、同時に「仮面の家」からの脱出ã-た事例も載せてある。回復は可能なのだ。「æ-‡åº«ç‰ˆã®ã‚とがき」は多くの人の胸ã‚'æ‰"つだろう。

むすこ殺しの理由 ★★★★☆
高校教師夫妻が23歳の息子を殺すという事件を証言と事実の積み重ねでもって著者は淡々と記述していく。その透明な文体のせいか、日本の社会のどこにでもこうした悲劇が起こりうることがわかって、背筋が凍る。

夫婦はなぜ息子を殺したのか。著者は、自己をしっかり作ることを避けてきた日本の教育の欠陥をついた事件であること示唆する。日本社会は役割ロボットを要請するシステムになっており、死んだ息子は父母もそのロボットとなっていることを見抜き、自己の葛藤で家庭内暴力をつづけ、自己破壊へと突き進んでいった「ようだ」。本来なら自己が育っていく多感な時期に、偽りの、また自分がなじまない自己を形づくることを強いられ、いびつになっていく息子の心の軌跡と、それを無意識にしろ、結果的に導いていく父母の姿がなんとも悲しく、痛ましい。

この本を読んで感じたことは、一体、どうすれば、今の日本の教育に深くかかわりながら、子供たちは、本来的な自分を作っていけるのだろうか、というかなり強い懐疑である。学級崩壊、不登校、いじめ、校内暴力・・・現象として日常的になったこうした事件は、総じて、子供たちの「自己」が弱い証ではあるまいか。日本国中、おおげさではなく、どんな家庭も「だいじょうぶ」ではない、と思う。