考えるきっかけを与える本
★★★★☆
皆が当たり前のように料金を払っているものを、どこか変ではないかと問いかけている本。
抗議のひとつとして、払わないという選択肢もあるぞということだ。
中には「これは違う」と感じる部分もあるだろう。どこまで賛同できるかは読者が答えを出せばいい。
払わないという行為は自己責任なのだから。
必要なことは何が正しいのか知識を持つということだ。
正直者が馬鹿を見る世の中である。おかしな所はおかしいと指摘するのは必要なことだろう。
全面的に指示できるという内容ではないが、社会の仕組みのひずみを浮き彫りにするという意味では良い本だ。
誰かが少しでも声をあげないと、その仕組みが変わることはない。
民衆の無自覚さがパフォーマーを生む
★★★★★
サービスを受けているのだから料金を支払うのは当たり前。こういう反論をよく聞くが、では妥当性がないものでも払い続けることは是なのだろうか?場合によっては払っても抗議はすべきだし、不当性を訴える事がとにかく重要だ。
払わないという抗議活動に対しての賛否をみると日本の社会的な構図が見えてくる。民主主義が熟成されていないのだ。
ボルテールの有名な言葉に「あなたの言う事は賛成できないけれども、そのことを言うあなたの権利は死を賭してでも守ろう」というのがある。これは民主主義の思想を表した言葉だ。この言葉のように極端でななくてもよいが、「不満を訴えることは我慢している他人に不快感を与える」といった日本特有の集団思想に縛られる(これを美意識として押し付けようとする輩がいる)ことのバカらしさに気付くことが成熟した民主主義への第一歩である。
残念
★★☆☆☆
ちょっと興味深かったので購読してみました。
・・・が、どうでしょうかね。
年金など「払わない」ならまだ良いですが、「払わず貰う」とはいかがなものか。
子供に食わせるだけ食わせて給食費払わない食い逃げ保護者と全く変わらない程度の低さ。
サラ金の金利に関しては、常にこの手の話題が出る度に思うのですが、だったら借りなきゃ良いと思うのは私だけでしょうか?
NHKに関しては私も払いませんが、書いてる人見たら、あら本多さん。
途中から日本帝国軍の侵略〜、被害者は中国人〜・・・とお決まりの文句を並べています。
煽ってたのはもっぱらNHKだと言わんばかりですがはてさて。
あれ朝日新聞や日日新聞も相当煽ってたことをお忘れか。それとも思い出したくないのか。
成る程本多さんは相当朝日さんにお世話になっているのでこちらには何も言えないのですね。義理堅いことです。
道路料金に関しても、私は払わない!と、知り合いに同じようなことをしていた人がいました。
しっかりと請求されていましたよ。罰金という札付きで。そう甘いものではありません。
「ルールを破ることでルールは変えられない」と聞いたことがありますが、まさしく。
あさましい人には、こういう内容でも刺激的なんでしょうね。
強固な意志と行動力を持つ読者のみが言える言葉
★★★☆☆
9種類の払いたくない銭の内、簡単に堂々と「払いません」を実行できるのは、NHK受信料・サラ金金利・敷金と、場合によっては交通違反反則金の4種類程度であろう。
高速道路については、ついに和合氏も他の無料通行しようとした会員も逮捕されてしまった。
あとがきにもあるように、サラ金金利は上限20%に移行するようであるし、NHK受信料は取りこぼしのないよう法で義務化される見通しである(それでも家にTVがないという言い逃れはできようが)。
いずれにしても、納得して支払うか否かを自分の揺るぎのない意思で決めるためにも、特別付録の各著者の推薦図書は必読であろうし、何でも仕方がないと諦めない心を一人一人が持つことこそ、社会を一握りの為政者の思い通りにさせなくする唯一の方法であると知らされる書である。
問題提起の書、というのなら解るのだが・・
★☆☆☆☆
その後の結果を考えると、結局は「自分さえよければ」以上のものにならない上に、法律という名の政府介入を増させている、問題としている事態のより強力な固定化を招くだけであることが、高速道路料金で判明している。
高速道路行政に反対し、料金を払わないとした和合氏率いる団体の構成員は、結局本の内容に反し道路整備特別措置法で逮捕された挙げ句、100万円という膨大な罰金を払う事態に陥った。
加え、高速道路の不払いはわずかとはいえ償還を遅らせ、対策費を使わせている点については、どう考えているのかが全く述べられていない。
国民保険の赤字分は、厚生年金に押しつけられ、遠回しには別の誰かの不利益になっている。
NHKの受信料とりっぱぐれのおかげで、私にとって見たい番組=Jリーグ中継が来期は削減される不利益が、と、これは冗談。
正直、不良少年捕まえてみたら「世間が悪いんだ」としたり顔で言われるような、悪い気分の読後感だけ残った。