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技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか―画期的な新製品が惨敗する理由

価格: ¥2,520
カテゴリ: 単行本
ブランド: ダイヤモンド社
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本物の危機感植えつけるにはこれくらいクドくないと・・・ ★★★★☆
ひと目見ただけでハッとするその衝撃的なタイトル。
それと同時に、製造業に身を置くものとしての深層心理を突かれ、タイトルだけで真理を語る。

なぜ『技術大国日本』(技術力No.1)が『技術立国日本』(技術で世界の市場をリードする)になれないのか。
製造業を中心に、今まさに日本が直面している課題について、筆者は熱く語ります。
そして、自分の会社や業界と照らし合わせながら読んでいくと、残念ながら筆者の指摘・懸念は正しいと感じます。

著書の中では、とにかく今までのような垂直統合的な自前主義の経営戦略や、インプルーヴメント(進化・改良)のみに頼った競争戦略ではもう世界に通用しないし、世の中はすでに変わってしまった・(日本の脅威によって敗退した欧米企業によって)変えられてしまったと主張します。
かなり、くどく主張します。同じことをさんざん、再三にわたって主張します。
それぐらい主張されないと、読者にとって今の日本の(特に大企業の)危機感はホンモノにならないと思いますし、特に自動車業界にとっては、エレクトロニクス業界の日本勢惨敗の二の舞の危機が迫っていると感じます。

このような危機感を読者に突きつけた後に、今までの何がいけなかったのか(敗因の診断)とその対処法(処方せん)について、特許などを代表とする知財マネージメントを中心に本書では述べられています。
知識社会における知的財産を自分が有利になるようにどのように活かすか、「インテグラルとモジュール」「標準技術と独自技術」「オープンとクローズ」といった対比のキーワードをもとに語られる戦略からは、多くの示唆が得られます。
これら対比の戦略についても、「どちらかしか取り柄ないのか」「右か左か」といった単純・短絡的な話で済ませるのではなく、どこをオープンにするのかどこをクローズにするのか、といった柔軟な提案とその実例紹介がふんだんに盛り込まれ、なるほど〜と納得すること請け合いです。

また、著者の想いは最終章(第8章)のコラム(第二次世界大戦における日本軍の大敗)にすべてが集約されていると思います。
まさに著者の指摘通りのことが今現在、戦争から経済へと舞台を変えて起こっているのではないでしょうか?

唯一の救いは「今ならまだ間に合う」と思えることです。
結果、ゲームが変わったということ。 ★★★★★
(この分野はあまり造詣が深くないが)
この本を読むまでは、個人的に、日本企業の行く末に閉塞感を感じていた。
なぜ勝てないのか、どう変わればよいのか…

この本は、
従来の技術大国日本のアプローチの、どこが強みで、どこが現在の潮流とズレているか、
現在日本を打ち負かしている企業は、何を狙い、どうパラダイムをシフトさせたかを、
幾つかの概念の対比を用いることで、またモデルを使用して論点があぶり出している。
まさに暗闇の中に光が差し込んだ感覚である。
(キャズムの乗り越え方についての記述など、自分には非常に新鮮でありました。)

しかしその光をより確実なものにするためには、いくつもの乗り越えるべき壁が待ち構えている。
・危機感の薄い経営陣のマインドをどうシフトするか
・異業種との壁が低くなった中でのイノベーションをどうとらえるか
・必要なスキル・ノウハウをどう蓄積し、「軍師」をどう育成するか等々

軽い気持ちで手に取ったが、自分にとっては密度があり、充分お腹一杯になりました。
色々啓発されます。必読の書です。
ビジネスパーソン必読書 ★★★★★
分量は400ページ近くありますが,具体的にかつ興味深く書かれていますのでサクサク読めると思います.
内容を非常に端的に言えば,日本が陥っている(変われない)技術改良型・技術偏向型思考に警句を鳴らしつつ,日本をよそに欧米やBRICs等新興先進国が発展している大元となるビジネスモデルの内容を体系だてて説明しています.また,単なる現象・事実の紹介に留まらず,きちんとモデル化している点もこの本の素晴しい点です.
ビジネスパーソンはもちろん志ある日本人全ての方々に読んで欲しい一冊です.
期待した割には ★★☆☆☆
他のレビューの評価が高かったので期待したのですが、新しさは感じられませんでした。他人の発見や自明なことに独自の名前を付けているだけのように思えました。

他人の発見の例。
1. 著者の言う「妹尾のイノベーション七原則」は Clayton Christensen の主張(『イノベーションのジレンマ』等)とどう違うのでしょうか。また、イノベーション(改革)とインプルーブメント(改良)を区別すべきとも書いていますが、それまで別個に議論されてきたことを統合したことが Christensen の分析の新しさなのです。著者の部分的改変は単なる後戻りです。

2. 本体を安価に提供し消耗品で利益を上げる方法を、「私はピストルビジネスと呼んでいる」と書いていますが、普通の人はジレットモデルと呼んでいます。独自の名前を付ける必要性を感じません。知らない人が聞いたら著者の発見かと錯覚してしまいます。

他の記述も Geoffrey Moore (『キャズム』等)や他のマーケティングの本で読んだような内容です。

自明なことの例。
1. 著者はインテルやアップルのビジネスを、「インテルインサイド」、「アップルアウトサイド」と名付け、どちらも「内プロプラ、外標準」、「内クローズ、外オープン」だと書いています。ですが、内側を独自にしなかったら誰でも作れますし、外側の入出力を独自にしたら何も接続できません。ある製品(CPUやパソコン)がさらに大きな全体(パソコンやネットワーク)の部分であれば、外側は規格に合わせる以外にありません。アップルの製品は、むしろ入出力規格以外の外側の要素である意匠や操作性を独自にすることで、差別化を図っているのではないでしょうか。名前を付けたり分類したりすることに目を奪われ、本質を見抜くことが疎かになっているように感じます。

2. 「成長」と「発展」の違いに気付いている人がいないと書いています。一般的でない定義を勝手に与えて質問すれば、著者以外には答えられないでしょう。前者を「量的成長」、後者を「質的成長」とするのが普通の言い方です。

カタカナ語がものすごく多いのも気になりました。馴染みの少ない言葉は、読む人を煙に巻くには使えますが、ものごとを分りやすく伝えるには不向きです。カタカナ語の導入とその説明で無駄に長くなっているように思います。

大学の先生というよりも売り出し中のコンサルタントが書いた本のように感じました。某国立大の先生が嘆いていらっしゃいました。独立行政法人になって、学問の発展に貢献するよりも、企業からたくさん予算をもらえるものが良い研究とされるようになってしまった。この本に独創性があるというなら、カタカナではなく英語で論文を書き、査読者がいる論文誌に投稿してみてはいかがでしょう。

もちろん、本は独創性だけで評価されるものではありません。それを言ったら教科書はすべて誰かが既に言ったこと、書いたことです。ですが、この本の場合、著者が発見したように書いてあるのが気になるのです。
事業構築の教科書 ★★★★☆
本書は冒頭に、”本書の主張は「三位一体」の事業経営なされるべきだというものです”とある。

本書では、三位一体というのを次の三つと定義している。
●製品特性(アーキテクチャー)に沿った急所技術の開発
●「市場の拡大」と「収益確保」を同時達成するビジネスモデルの構築
●独自技術の権利化と秘匿化、公開と条件付きライセンス、標準化オープン等を使い分ける知財マネジメントの展開

内容は、インテルやアップルのビジネスモデルを例として挙げ、日本の今までのビジネスモデルとの比較、
何が違ってどこが優れているのか、ということを分かり易く解説している。
第8章には、それまで解説した内容と処方箋がまとめられており、読者の理解を助けるものとなっている。
処方箋の内容では、新しいイノベーションモデルに気付き・学び・考える、
いきなりまねをすると大怪我をしますよ、とありがちでごもっともな意見が書かれている。

感想としては、私自身が技術開発〜特許出願業務まで担当した経験があったので、とても有益な内容だった。
若干横文字が多くて辟易した感もあるが、全体的に読み易く、最後にまとめもありとても良かった。
(例えば、”ディフュージョン”は単に”普及”という表記に統一したほうが、より読み易かったと思う。)
ただ、これを読んで実践できる人が、はたしてどれだけいるのかは疑問だ。
本来経営者に真っ先に読んで欲しい本だが、経営者に特許業務の造詣が無ければ、担当者へのしわ寄せが心配になる。
理屈は簡単だが、実践するのは容易ではないだろう、という印象。
しかし、だからこそビジネスチャンスはまだまだある、と言えると思う。