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国際標準化と事業戦略―日本型イノベーションとしての標準化ビジネスモデル (HAKUTO Management)

価格: ¥4,000
カテゴリ: 単行本
ブランド: 白桃書房
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事例は豊富ではあるが・・・ ★★★☆☆
標準化や知財マネジメントを軸に、日本企業の戦略展望を論じた良書。PC、デジカメ、携帯、DVD、太陽光発電など、さまざまな産業の事例を用いて標準化ビジネスモデルによる勝ちパターン・モデルが提示されており、主張は分かりやすい。その点で、今後のビジネスモデルについての事例集として一読の価値はある。

ただし、いくつか注意すべき点がある。まず、モデルの提示にベクトルが向けられているため、標準化や知財マネジメント以外の要因についての考察はほとんどない点。標準化やカプセル(ブラックボックス)化というモデルのキーコンセプトにかなり引きつけて記述がなされているため、これら以外に勝ちパターンはないかの印象を与える。しかし、実際には、ここで挙げられているPC、携帯、グリッドシステムなどについては、パートナー企業との分業システムの形成、マーケティング、実際の製品の開発システムなど、ほかにも考慮すべきポイントは少なくないだろう。本書は、それぞれの産業の背景や経緯を丹念に調査し検討しないまま、モデルに合わせて事例を単純化しすぎている印象。

また、関連して、事実誤認とも思えるような、必ずしも十分に裏付けがとれているとは思われない記述が散見される点もやや問題。いくつかの重要なポイントについては、読者に誤解を与える(実際そういう部分が本書から官庁のHPに掲載されている)。勝ちパターン・モデルということを提示するために、あえて記述を単純化したためともとれるが、事例をモデル化するための記述であれば、ほかの背景や経緯も含めもう少し入念な記述や検討が欲しい。学術書(?)といえるかどうかは別として、調査研究の手続き的に適切とは思われない点や情報ソースの記述が不十分な点はかなり気にかかる。

モデルを提示するためには、入念な作業にそったある種の単純化は必要である。だが、総じて、本書は、こうした作業よりもモデル提示を最優先しており議論の単純化が目立つ。このため、本書の記述や提案には同意できない部分も少なくない。とはいえ、こうした視点を提示した邦文の著作は多くはないので、参考までに読んでおく価値はあると思う。
アカデミックな「イノベーションのジレンマ」 ★★★★★
クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」を初めて読んだ時と同じくらいの衝撃を受けた本です。
アカデミックな本なので、国際標準化に関して多少の知識がないと読みにくい箇所はありますが、それ以上にいろいろな示唆を得られる大変な良書です。
デジタル時代に入りモジューラー化、オープン化が進む中で、日本企業の強みをどこで活かすのか、儲ける仕組みをどのように作るのかといった課題を考えるには大変参考になります。
メーカーで開発・マーケティング業務に関わる方は、一読いただいて損はないと思います。