広くて深くて読みやすい、「犯罪学」のテキスト。
★★★★★
「犯罪学」という領域があるのを知り読んでみた本。
文字通り、犯罪に関する学問研究を広くまとめた内容になっている。
「ブロークンウィンドウズ理論」などの犯罪心理のみならず、
犯罪研究の歴史や犯罪そのものについての認識に関する研究など、
犯罪についての科学的・実証的な
数々の理論がまとめられていて面白かった。
内容が分かりやすく深い上、
図やイラスト、参考文献なども充実していて
専門書としてもかなり使える本ではないかと思う。
犯罪は社会現象を理解する上で切り離せない内容なので、
社会科学を勉強している人全般にお勧めの一冊である。
日本語の本の中では、最良の犯罪学テキスト
★★★★☆
犯罪学という分野は、日本では、刑事学、刑事政策という科目名と内容は一緒で、法学部で教えられている。(海外では、社会科学系のニュアンスが強い。)そのため、犯罪理論や犯罪原因論についての議論よりは、矯正や制度の分野に授業時間がさかれてしまう。一方、犯罪心理の講義は担当者が臨床心理学者であることが多く、非行のケース研究とやはり矯正制度の説明に大きな時間がさかれる。そのため、海外の、Criminology は日本の大学制度のなかではほとんど、紹介されていないのが現状である。そのようななかにあって、本書はアメリカ、イギリス等の「犯罪学」に比較的近い構成をとっていてわかりやすい。話題も比較的新しいものまで含まれているが、いくつか、これはちょっと、と思われる話題もあるのがマイナス点か(たとえば、月と犯罪ネタなど)。しかし全体的に見れば、現状では日本におけるこの分野の最も優れたテキストであり、おすすめしたい
犯罪についてのベスト参考書
★★★★★
犯罪に関する(たぶん)ほとんどの学問領域について、的確にまとめられている優れた本です。犯罪心理学を勉強している者として、他の隣接領域が何でどんなことをやっているのか、よく分かる座右の書になっています。なお、この本における犯罪心理学の扱いが、精神医学や精神分析学的なものになってますが、一般にイメージされる犯罪心理学の姿を示しているようで、ちょっと興味深かったです。