が、映画は傑作であることは疑いはないが、
映画が描写する合戦シーンにはかなり疑いがありそうだ。
著者は丁寧に資料を挙げながら、
戦国時代の常識、長篠合戦の常識を覆していく。
「武田の騎馬軍団」「長篠の合戦=戦術革命」
「信長による鉄砲隊の集団運用」など
常識と思っていたことが実は根拠がなかったりする。
実際に読んでもらえるとわかるが、
確かにポニーのような日本馬では騎馬軍団はムリだな、
というのが目で見てよくわかる。
それは司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読んだときから
感じていたことではあったのだが・・・。
世界の戦史や種々の資料を参照しながら持論を
立てていく展開が明快で小気味いい。