「有機合成における保護基についての、最も包括的なガイドブック」
25年に渡って『Protective Groups in Organic Synthesis』は、有機合成に関わる有機化学者たちの必携書となってきた。その第4版となる本書も、包括的で素晴らしい内容で、有機合成に関わる合成化学者や医薬品化学者に不可欠なものとなるだろう。
この第4版では、1988年以降得られた保護基についての重要な情報を収めている。アミンを保護する2-メトキシベンゼンスルホニルなど、有機合成科学者が現在必要な最新の保護基についての情報をまとめている他、化成、開裂についての最新のテクニックも紹介し、それぞれの方法について最も分かりやすい例を図解している。
内容は保護機能によって分類され(エーテル、酸、カルボニル基、アミン、アミド、フェノールなど)、シンプルなものから高度に複雑なものまで網羅されている。 第4版の新しい特徴、
・フローラスなど新しい保護基を多く追加
・開裂についての新しい方法と、文献に引用する際に役に立つ従来からある保護基についての紹介
・保護基に起こる予想外の副反応をより広範囲に紹介
・シリルエーテルの選択的脱保護について新たに図解
・2005年末までの新しい文献を3100件追加
旧版との比較
★★★☆☆
最も有名な保護、脱保護のバイブル。第3版(旧版)では、第2版から大幅なページアップと記載の丁寧さで使いやすくなった。今回の第4版では、レファレンスが最近のものまで入り強化されている面はよい。一方、著者が変わったことで、マーチ有機化学と同様に、使いにくさも出てきている。旧版に比べ、構造式がかなり少なくなってしまっていて、パッと必要なものを見つけにくくなってしまった。文字が多くなった分、じっくり見ないと必要な面が見えてこない。ページ数の制約からか、かなり詰め込んでいる感がある。次の版では、Greenのよさ、雛形を維持しつつ、レファレンスは新しくしてもらいたい。
保護基の宝庫
★★★★★
有機合成で使われる官能基の保護、脱保護の手法のほとんどがこの一冊で網羅できます。巻末には、各官能基がどの条件で安定で、どの条件で開裂するか、がフローチャートで示されており、使い勝手が良いです。ただ、保護基は、その種類によって、結晶性の良し悪し、扱いやすさの違いやクセがあるので、特徴をよく知って使い分ける必要があります。この一冊に頼るのではなく、日頃から、現場や文献で如何にして使われているかを意識して見ておくと、本書がより使いやすくなると思います。
合成化学者必携の一冊
★★★★★
保護基を使わないほどエクセレントな合成・・・ とはいっても現在の合成化学において保護基はまだまだ必要不可欠です.保護,脱保護について調べるならまずこの本でしょう.かなりマニアックな方法までのってます.第一版より倍近くの内容になりました.実戦的に非常に役立つ本であると思います.
有機合成をする人にはなくてはならない本です。
★★★★★
有機合成の際に行う官能基の保護や脱保護の行い方が詳しく載されています。私は実際にこの本に載っている方法で、保護や脱保護を行っています。有機合成をしている方ならこの本を持っていて損することはないでしょう。