戦争を非戦闘員の女性の視点からみる
★★★★★
第二次世界大戦 ドイツの終戦前からの貴重な日記
著者は 首都ベルリンで普通の生活をしていた非戦闘員の女性
ドイツの敗退に続く敗退でついにベルリンに敵が・・・
著者はたまたま身につけていた敵国の言葉をいかして、そして女性として唯一の武器を生かして終戦前を生き抜いていく。
戦争は兵士VS兵士の戦いだけでなく、非戦闘員の人々が生きていく為の壮絶な戦いが存在する
現代ではタブーの分類に入る様な眼をつむりたい内容であるが、戦争の新たな一面を知る上ではとても考えさせられる内容である。
驚愕!あまりにも個人的な、しかし普遍性ある戦争手記
★★★★★
「戦争」とは何なのか、改めて考えさせられました。それもごく普通の人々、そして女・子供にとってです。
たまたまベルリン在住のドイツ人一女性の手記の記録にすぎませんが、第二次世界大戦下では、同じような悲劇が至る所で繰り返されていたと推測します。
この著作を前にして、「ヒューマニズム」「反戦」といった言葉は無意味です。
高邁な理念・信条を覆す、貴重な個人的戦争秘話だと評価しました。
願わくば、私のように戦争を知らない人達に是非よんで欲しいです。理屈抜きで「戦争は絶対嫌だ!絶対反対!」と思える一冊です。
しかし一方で、恥辱にまみれながらも、究極の選択として「死」よりも「生」を選んだ著者の生き様にも、不思議な共感をおぼえました。と同時に著者の個人的な視点=「ひとりの人間の生きることへの執着と強い意志」を感じ、圧倒されました。
銃後の視点からの「ベルリン陥落 1945」
★★★★☆
扱うテーマはかなりきわどいです。
アントニー・ビーヴァー氏が序文を担当し、そこだけを読むと目の眩むような「ベルリン陥落 1945」を思い出します。
(あの本は感情移入して読んでしまい、大変に辛かったです)
届いてから2日で一気に読んでしまいました。
正直、読後感が良くないので、こういう本は一気に読んでしまうにかぎります。
内容は凄まじいのにあくまでも客観的な意思を持った、独特の文体。
「夜と霧―ドイツ強制収容所の体験記録」を思い出します。
著者は明らかにされていません。
ドイツ国内でも戦後に一度出版された時に、かなり問題になったそうです。
充分に理解できます。
もはや著者はお亡くなりになったそうなので、各国で出版されています。
フィクションかノンフィクションかの論議も昔にあったそうですが、ノンフィクションとされているようですね。
日記の日付は1945/4/20〜1945/6/22。