Academic 分野でのWriting活動のコツを軽妙なタッチでまとめた一冊
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洋書です。日本でいえば新書レベル。教科書的ではなく、それほど難しくはありません。米国サイトでは高い評価のレビューがたくさんついています。もう少し堅い本かと思っていたのですが、面白かったです。
この著者は心理学を専門にしており、時々自分の得意とする分野に触れながら、コンパクトに、随所にユーモアを交えて、Academic 分野でWriting活動を行う際のコツをやさしくまとめています。主に論文や記事や一般著作物を日々のルーチンワークとして組み込んで効率よくたくさん生み出すための要点を書いてあると考えてもらえれば良いです。ただし、書式的な話はほとんど無いので、日本語で何かを書く場合でも参考になります。和書ではあまり見かけない切り口です。
特に印象に残ったのは、Writing活動における自己管理の重要性、特にスケジュール管理の重要性です。アイデアを思いつくまで待っているという姿勢は望ましくなく、とにかく毎日時間帯を決めてその時間帯は完全にWritingもしくはそれを生み出すための活動に専念することが重要だし、そのように習慣化してしまった方が結果的に創造性という面でもより高い成果が得られるということを強調しています。とにかく、スケジュール通りに著作活動を行うべしというのは、最後まで何度も何度も出てきます。
著作活動に関しては、それを対象ごとに細かく管理して分析して振り返ってみることの重要性も説いています。この著者の場合、日々何について何WORD分書いたかを全部記録しており、さらにそれを分析ソフトを用いてモニタリングしているという徹底ぶりです。
本書を読むのには一定の英語力以外の前提条件は特に必要ありません。