本書は、彼の温かな愛がいっぱい詰め込まれた絵本である。収録されている約40枚の絵には、ゾウやカメ、ラクダ、ネコ、鳥などさまざまな動物たちが登場する。やわらかな色で描かれたその絵の一枚一枚に、「合唱しているところ」「かぞえているところ」といった、ジョンによる手書きの題名がつけられており、絵からは数々の愉快な物語が連想される。
6歳のときから並外れた観察力で自作の絵入りの本を作ったジョンが聞かせるお話はどんなものだったのか。ときにはジョークや笑いを入れた、ほほえましいものだったに違いない。ページをめくるたびに、ひざの上のショーンに語りかけるジョンの姿が目に浮かぶようである。子どもにもぜひ、読み聞かせてほしい絵本である。(名村菜依子)