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江戸開城 (新潮文庫)

価格: ¥580
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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復刊希望!! ★★★★★
 勝海舟〈第5巻〉江戸開城 (新潮文庫)をエンタテイメントとするなら、こちらはドキュメンタリーのように江戸開城前後の話が描かれています。
 江戸開城の当事者である勝海舟は、江戸を戦乱から守っただけでなく、徳川宗家を存続させ名誉を守る事にも尽力しています。西郷隆盛は、著者の西郷びいきもありますが、手紙のやり取りの中で細やかな心配りの多い人物として描かれています。
 その一方で、江藤新平と島団右衛門は優秀でありながら、佐賀藩の功利を優先させた事が、後年に非業の最期を遂げる原因となった事や、木戸孝允は昔の恨みが忘れられず徳川家に寛典が示せない事、大村益次郎は合理主義者ゆえに人間的情義の暖かさが分からなかった事や、海江田武次と木梨精一郎は志士としての経歴はあったが、大きな仕事をするには不向きだとする非常に厳しい指摘(公卿連中はひどいもの)がなされています。
 江戸開城後の上野戦争についても書かれていて、徳川家への殉忠のない彰義隊がこんなバカな事をしなければ、徳川家は100万石以上の領地を得られたとする一方で、彰義隊が革命の犠牲となる事で、江戸を始め関東周辺が天皇の権威を認識し威服するようになったとしています。
 他にも、カラウシの帽子(赤熊=しゃぐまの事)は江戸開城後に新政府軍が使い始めた事や、当時の諸藩の兵は弱く、例外的に強かったのは薩長と会津だとしています。
 是非とも、復刊して欲しい一冊です。