俺の教育実習
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「次はいつ会えるんだ?」
先輩はうつむいて、今度は自分のちんぽとケツの始末をつけながら言った。
「実習おわるまで、ずっと会えないのかよ?」
俺は先輩のことを見ていた。毎度のことながら、ケツをふく仕草がユーモラスで、いやらしい。俺はニヤニヤしながら言った。
「二週間、おあずけッスね」
「本気か、それ?」
先輩はしょぼくれた顔をして、俺に抱きついてきた。百八十の巨体だから、百七十五×七十八の俺をすっぽり抱きすくめてしまう。
「二週間なんて、さびしいぞ。なあ、夜はあいてるんだろ?」
「ダメですよ、朝早いし、放課後もクラブ活動見させてもらうって決めてるんですから。先輩のこと犯ってたら体がもちませんよ」
「べつに毎晩犯ってくれってわけじゃないんだぞ。会うだけだって、おれ、うれしいし」
「でも会えばそういうことになるでしょ? 俺だって、先輩と会ったら、たまんなくなるだろうし」
「ヤスヒロ……」
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体育大学のサッカー部に所属する主人公が教育実習のため高校に戻る。担当体育教師はガチムチの中年男で、柔道部の顧問をしている。柔道部員の森田はちょっと不良っぽくて主人公に反則技をかけてくるが、実は隠された想いがあって……。
初出『バディ』。たしかこの小説が『バディ』でのデビュー作だったと思います。原稿用紙換算で79枚の中編。