これが映画デビューとなった長谷川和彦監督の、当時の社会および日本映画界に対する怒りが、研ぎ澄まされた感性と両立しながら爆発したかのように、やもいわれぬ衝撃的パワーに満ちあふれた傑作である。1976年度のキネマ旬報ベスト・テン第1位。主演の水谷豊、原田美枝子もそれぞれ主演男&女優賞を受賞。その初々しくも凄絶(せいぜつ)な熱演に圧倒される。ゴダイゴによる透明感あふれる音楽とのミスマッチも、逆に青春のせつなさを美しく増幅させていくすばらしさ。今が青春期の人は絶対観ておいた方がいい。(的田也寸志)