【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:アガサ・クリスティー/著 乾信一郎/訳 出版社名:早川書房 シリーズ名:ハヤカワ文庫 クリスティー文庫 45 発行年月:2004年01月 関連キーワード:フクシユウ ノ メガミ ハヤカワ ブンコ クリステイー ブンコ 45 ふくしゆう の めがみ はやかわ ぶんこ くりすていー ぶんこ 45、 ハヤカワ シヨボウ ハヤカワシヨボウ 6942 はやかわ しよぼう はやかわしよぼう 6942、 ハヤカワ シヨボウ ハヤカワシヨボウ 6942 はやかわ しよぼう はやかわしよぼう 6942 マープルは、かつてともに事件を解決した富豪の死を知る。その一週間後、「ある犯罪調査をしてほしい」と富豪が記した手紙が届く。だが、具体的な犯罪の内容については何も書かれていなかった。マープルは手紙の指示通り旅に出るが、そこには様々な思惑をもつ人々が待ちかまえていた。『カリブ海の秘密』の続篇。
衰えぬサービス精神と創作意欲が素晴らしい
★★★★☆
三部作構想の第二作目。前作「カリブ海の秘密」の結末で「復讐の女神」として犯人に立ち向かったマープルが、今回は前作で知り合った奇矯な富豪ラフィールの遺言で「復讐の女神」となる事を強いられ、謎の事件の解決に乗り出すという設定。本作の特徴は、ラフィールが仄めかす事件そのものの実体が不明であるという点。犯人探し以前に事件探しがあるという面白い趣向である。
そして、ラフィールが生前手配した邸宅・庭園巡りツアーの招待状がマープルに届く。ツアー同乗者や訪問場所が事件の手掛かりであろうから、二重の意味でミステリ・ツアーの趣きを呈しており、クリスティの衰えぬサービス精神と創作意欲が窺える。ツアーの進行に伴って徐々に明らかになる人間模様。ただし、マープルはラフィールの意図する事件の実体を知らないので、関係者を探ると言っても限度がある。そこを思わぬ人物との邂逅や細かいエピソードを紡いで焦点を絞って行くクリスティの手腕は流石と言える。「ミステリ」という枠を外しても通用する域に達していると感じた。そして、山歩き中のツアー同乗者の元女校長を襲う落石死。事故とも取れるが、殺人の可能性が高い。彼女は生前、「最も恐ろしい言葉は愛」と漏らしていた...。
「何が事件か」を探るという新しい趣向の中で、巧みに物語が構成されていると思う。動機や伏線の張り方も巧妙で、大トリックがなくても充実したミステリが創れる実例とも言える。クリスティの晩年を飾る佳作だと思う。
真の最後に恥じない作品。
★★★★☆
本当の意味でのマープルもの最後の作品。
それだけあり、豪華な内容となっております。
それは最初は明らかにはなりませんが、
後になぜマープルを旅行に出したかの
真相が明らかになります。
それは依頼主の息子をはめたものへの復讐。
過去の事件は明らかにこの息子へ
嫌疑がかかるように仕向けられています。
ただし、口封じをしたことが
おっつけた犯人の運のつきでしたね。
しかしながらその真相には
同情をせざるを得ないものがありました。
行過ぎた感情…
何事も一線は越えてはいけないのです。
越えなければ、このような悲劇は起こらなかったのですから。
スローテンポ
★★★★☆
「カリブ海の秘密」に登場したラフィール氏なる人物の死から物語は始まる。
ラフィール氏が生前、自身の死後、ある事件についてマープルに調査してもらおうと手配しておいたバスツアーにマープルは参加する。
と、ここまではいいのだが、バスツアーに参加する事なった理由をマープルが知るのは中盤になったあたり…
とにかく、ゆっくりしたペースで物語は進む。この点を我慢出来るかどうかがマープルのシリーズを楽しめるかどうかの分岐点といえる。
ストーリー自体はマープルシリーズの中でも、よく練られているといえよう。
ただ、この作品を読むのなら「カリブ海の秘密」を読んでからにした方がいいだろう。この作品のキーパーソンといえるラフィール氏について、よく理解しておいた方が絶対に楽しめる。
マープル、本当の最後の事件
★★★★☆
かつて「カリブ海の秘密」で知り合ったらラフィール氏が死去し、彼から遺産の一部を譲り受ける条件として、ある捜査の依頼を引き受けることになったマープル。
何らかの犯罪を解決してもらうことのようだが...。
そうして何もわからぬまま用意された古い館と庭園めぐりのツアーに参加すると、同じ旅行客の中にラフィール氏の名を知る人物が現れ、過去の事件が紐解かれてゆく。
徐々に犯罪が明らかになってゆく過程は、ややじれったさを感じるが、何が起こったのか、そしてどのように解決するのか、読者の興味を最後まで尽きさせない作者の筆致はたいしたもの。
作者晩年の作品はほとんど駄作ばかりかと思っていたが、本書は例外といえよう。
ヘンリー・クリザリング卿の名前が出てくるのも、旧作ファンには懐かしい。
なお、本書は「カリブ海の秘密」と未完の「Woman’s Realm」(女性の王国? それとも女の領分、だろうか?)と合わせて三部作となるはずだったが、惜しいことに作者の死により実現せず、執筆順からすると本書が事実上のマープル最後の事件となった。
映像作品を先に見ました。
★★★★★
映像作品を先にみました。
誰が主人公かも知らずにみたので、1度めは日本語モードでみましたが、チンプンカンプンでした。
2度目に、英語で日本語字幕でみて、ああ、なるほどなるほどとわかりました。
3度目は、英語で英語字幕で見ました。
ミス マープルものは、イギリスの文化、風土とを知るのによい。
特に、牧師がよくでてくるし、牧師の住んでいる家もよくでてくる。
人間性の観察にたけたミス マープルものを呼んでおくと、イギリスでの会話の話題としてはハリーポッタよりもよいと思う。
ハリーポッタは、魔法の世界なので、現実のイギリスの描写が少ない。
海外文学を、その国にいくときの話題のために読むのは邪道でしょうか。